酔っ払い女

今日は家飲みに美容師の圭祐が来ることになっていたが、あとから看護婦の知美が友達の明美を連れて現れた。

乗り間違い

21時半頃、智美から四谷を出ると連絡があったのだが、22時半を過ぎても大崎に来ない。ほどなく智美から電話があった。


智美:「いま、京急蒲田にきちゃったのよ。酔っ払って間違えちゃった。」
主宰:「はあ?なんだそりや。」


それでも大崎にこれから向かうのだという。来てもちょっとしか居られないと思うが、どうするつもりなんだろう。


智美:「遅くなりましたあ。」
主宰:「ホントに遅いよ。ちょっとしか居らんないよ。どうすんの?」
智美:「タクシーで帰ります。」
主宰:「家どこだっけ?」
智美:「白金だよ。」
主宰:「君はいいけどこの人(明美)はどうなんの?」
智美:「近所なんで−緒に帰ります。」
主宰:「あっそうなの。」


帰れるのはいいが、いったい何時まで居るつもりなんだか…。
その後、智美はアジトの寝室に勝手に侵入したり、セラーを勝手にあけてワインを飲もうとしたり、酔っ払いの限りを尽くした。
一時はどうなることかと思ったが、2時にはおとなしく帰途についた。

ワイン占い

主宰のグラスはいつも甘みが開くのが早く、香りが派手になっていく。


智美:「いつもの技やってください。」
主宰:「いいよ。」


智美のグラスも甘みが開いて香りが派手になっていった。


明美:「あたしもやってください。」
主宰:「いいよ。」


明美のグラスは味は変わったが、智美のと全く違う、エゲくて濃厚な味になった。


主宰:「あなた(明美)、初対面でこんなこと言うのもなんだけど、見掛けは清楚だけど欲深いよね。それから執念深い。さらにこんなこと言うのもなんだけど、無理やりやられる系好きだよね?」
明美:「はい、あっていると思います。何で分かるんですか?」


最近、葡萄と会話すると、飲み手の性格まで分かるようになってしまった。便利かもしれないが、どうしたものかともおもう。

今日の酒

(白)バーントスパー "ロシアン・ジャック" ソーヴィニョン・ブラン 2008(NZ)
(赤)バーントスパー "ロシアン・ジャック" ピノ・ノワール 2008(NZ)
昨日に続き、やまざきの頒布会のワイン。何回飲んでもさすがのコスパだ。特にピノノワールが秀逸。


(赤)マホニー テンプラニーリョ ラス・ブリザス・ヴィンヤード 2005 カーネロ(US)
カリフォルニアのテンプラニーリョとは本当に珍しい。まず、一口飲んでびっくりしたのは、ワインの持つオーラが内側へ向かっていく感じなのだ。いままで飲んだワインはほぼすべてが強弱の違いこそあれ外へ向かってオーラを放つが、これは何か内向きに収縮していくような感じというか、内側に凝縮しようとするエネルギーというかそういうものを感じた。口の中に小ブラックホールを飲み込んでしまったかのような今までにない新しい感覚だ。
対比をするなら、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズが良いだろう。クロ・ド・ベーズはシャンベルタンのようなはっきりしたエネルギーは少ないが、何か小宇宙が口の中に出来たような不思議な感覚がするものが多いが、オーラは静かに外へ向かっていく。
それにつけてもこのブラックホールのような収縮感は感覚として非常に新しい。
これはカーネロスのテロワールによるものなのか? カーネロスは名醸地中の名醸地だが、これからはカーネロスのワインを折に触れて飲んでみようと思う。
マホニーのことなのでワインしての完成度が高いのは言うまでもない。