最後に信じるべきは自分

bebian912009-06-08

今日は久しぶりにIZAKAYA VINに行った。
食事をしていなかったので、先に料理を注文しようとしていたところ、いつもどおりブルゴーニュのボトルが主宰の目の前に並べられていく。


主宰:「なにか白ありますか?」
マスター:「シレックス!」
主宰:「それ、お願いします。」


シレックスの生産者のディディエ・ダグノーが事故死してからシレックスは超品薄が続いているが、IZAKAYAVINではグラスで飲めるときがあるのだ。本当にありがたい。
ブルゴーニュは、マスターが好きなマルキ・ダンジェルヴィーユがあいていたのでそれを飲むことは決定。あと1杯を何にしようかカウンターを物色していると、少し離れたところでクロ・ド・ヴージョとルショット・シャンペルタンが栓が抜かれないまま出番を待っていた。


主宰:「しげちゃん、リュショットあくの?」
しげ:「リュショットかクロ・ド・ヴージョをあけようかと思っているのですが…。」
主宰:「もしリクエストしていいんだったら、リュショットで!」
しげ:「リュショットあけちゃいましょう!」
マスター:「良いんじゃない…。」

飲む順番

主宰:「さて、フレミエ(マルキ・ダンジェルヴィーユ)とリュショットだったらやっぱりリュショットが後ですよね?」
しげ:「う〜ん…、フレミエのほうが時間がたっているので(2001)、リュショット(2004)より後のほうが良いかもしれません。でも、リュショットはグランクリュだし…、微妙ですねえ…。」


微妙なら、主宰は北斗孫家拳があるので、リュショットを後に飲むことにした。


シレックスを飲み終わって赤を飲む時が来た。


主宰:「では、フレミエをください。」
しげ:「確か微妙ではありますけど、ここはリュショットが先のほうが…。」
主宰:「そうなの? でも、グランクリュだよ!?」
しげ:「やはり2001の熟成感があるので、そちらが後のほうがいいかなあと。」
主宰:「あっそう。しげちゃんがそう言うならそれで。」


ジョルジュ・ミュニュレのリュショットが注がれた。
まずは樽の香りが漂う。次に、標高が高い畑特有の厳しい酸が、凝縮度の高い岩系のミネラルとともに香ってきた。香る順番に関しては逆のほうが主宰は好きだが、それは良いとしてなかなかの洒だ。20分くらいかけてゆっくり飲んでいた。


そして、フレミエを注いでもらった。


熟成感は確かに無くは無いが、それがグランクリュのミネラルを凌駕するようには思えなかった。対等ですらなかった。おそらく、北斗孫家拳でルショットはどんどん開いていい状態になっていたのだろう。
よくよく考えればこんなことは最初から分かっていたわけで、いくらしげちゃんがプロでも最後は自分の能力と直感を信じるべきだと改めて思った。

今日の酒

(白)ディディエ・ダグノー シレックス 2006 ACブラン・フュメ・ド・プイー
ありがたいことだ。


(赤)ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ リュショット・シャンベルタン 2004(写真)
後から思ったが、樽が強いのはヴォーヌ・ロマネの生産者だからだろうか?
ワイン作りの思想として、テロワールを自分の型に当てはめようとしている感じを受けてしまった。
こういう酒を飲むと、やっぱりボンソは偉いなあと思う。
と、書くと辛口コメントのような感じがしてしまうが、これはいい酒です。


(赤)ドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィーユ ヴォルネイ 1er フレミエ 2001
主宰:「フレミエってクロ・デ・デュック(ヴォルネイ1er でマルキ・ダンジェルヴィーユのモノポール)とかシャンパン(ヴォルネイ1er)とは灘れてるんですか? なんか味が凄く違う感じがするんですよね…。」
しげ:「確かに離れてますよ。地図ご覧になりますか?」


地図を見るとクロ・デ・デュックとフレミエは近くだった。フレミエはボマールに接していた。シャンパンは平地に近いところにある畑で距離は離れていた。


主宰:「2001だからちょうど良いかと思ったけど、全然早いね。2001のシャンパンは良かったんだけど…、これはなんかエグ味が舌に残る感じがするんだよね。」
しげ:「確かに早かったかもしれませんね。でも、これはきっと明日おいしいですよ! 明日お待ちしています!」


熟成しているはずの酒が早かったからと言って、「明日も来い」なんてなかなかいい商売をしている(笑)
まさか本当に行くとは思ってないだろうから、本当に行っちゃおうかなあ…。