ムルソーでよだれ
弟子のマヤ:「今日は村松さんどっか飲みに行くんですか?」
主宰:「VINにでも行こうかなっと思ってんだけどさ…。」
マヤ:「あたしも行っていいですか?」
主宰:「ええ? 来てもいいけど奢んないよ。」
マヤ:「大丈夫です。」
主宰:「ほんとか?またいろいろとグランクリュとか飲んじゃうとすぐ一万円行っちゃうよ。」
マヤ:「だ…、大丈夫です。」
主宰:「ほんとかあ?」
条件にあってない
主宰やその他の常連がカウンターの席についたので、2階と3階から何本かよさそうな白ワイン等が降りてきた。
マヤ:「あっ!あれ、ムルソーですよね!? あたし、最近ムルソーって聞くだけでよだれ出てきちゃうんですよね。条件反射になっちゃいました♪」
主宰:「そうだよな。いつもおいしいムルソー飲む時は会にちゃんと来てるもんな。」
下に降りてきたワインの内容を確認した。
シャブリとラヤスのパプ白とシャンパンだった。
主宰:「ムルソーないじゃん。条件反射ってったって、『条件』にあってねえじゃん。」
マヤ:「あはは…。」
○ジャック
マヤ:「フィジャックって、デュジャックとは違うんですか?」
主宰:「はあ? そりゃ違うけど…。なんと言っていいか…。」
嫌いなワイン
主宰:「では、最後にお勧めの一杯を!」
マスター:「分かりました。」
マスターが内線で3階に連絡をとる。
マスター:「しげちゃん呼んで!」
イケメンのしげちゃん登場。
マスターとヒソヒソ話を始める。ひそひそ話なのでよく聞こえないが、主宰はキーワードを聞き逃さなかった。
しげ:「デュジャックのオーコンボット…。」
主宰:「いま、デュジャックって言ったよね?」
しげ:「聞こえました?凄いですね。こんなヒソヒソ話なのに。すごい地獄耳ですね。」
主宰:「ふふ…。で、オー・コンボットって言ってたよね? いいねえ!あけてあけて!」
また、マスターと険しい表情でヒソヒソ話するしげちゃん。
しげ:「デュジャックなんですが…、マスターからだめ出しが…。」
主宰:「ダメだし? なんで?」
しげ:「マスターはデュジャックが嫌いなんですよ…。」
主宰:「ええ?まじて? あっそう。残念。」
再びマスターと険しい表情でヒソヒソ話するしげちゃん。
マスター:「ルーミエ…」
主宰:「お前、ルーミエ飲んだことあったっけ?」
マヤ:「ないです。ルーミエ飲みたいです。」
しげちゃんが主宰の前にボトルを2本置く。
ルーミエのレ・クラとジャン・タルディのクロ・ド・ヴージョだった。
主宰:「どっちをあけるか選んでいいんですか?」
しげ:「はい。」
主宰:「では、ルーミエを。」
今日はマスターが「ブルゴーニュはもうあけませんから!」と言っていたが、「お勧めの一杯を!」という決め台詞であけてもらうことに成功した。
今日の酒
(赤)シャトー・フィジャック 1975 ACサンテミリオン・グランクリュ(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB)
フィジャック久しぶりに飲みました。口の中がとろけました。
(赤)ドメーヌ・レオン・バラル フォジェール "トラディション" 2005
濃い。パンチが効いててよかった。
(赤)クルティエ・セレクション サヴィニー・レ・ボーヌ 1er レ・プイエ 2005
安い割にはおいしいと思いました。うちにクルティエセレクションのシャルム・シャンベルタンとムルソーがあるので楽しみになりました。
(泡)アンリ・ジロー フランソワ・エマール NV ACシャンパーニュ(アイ村=グランクリュ)
やばい味を覚えてしまった…。きっとこれから落札したり買ったりすることでしょう。
(白)オリヴィエ・ルフレーヴ シャブリ・グランクリュ ヴァルミュール 2002
ヴァルミュールは初めて飲んだ。オリウィエの個性を差し引いても、レ・クロやヴォーデジールとはまた違うミネラルの成分が楽しめた。
(赤)ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ ペルナン・ヴェルジュレス 1972
ボトルの底の澱の部分をただで頂いてしまいました。熟成から来る旨みと酸味がたまりませんでした。
(赤)ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ シャンボール・ミュジニー 1er レ・クラ 2000
レ・クラの位置は知りませんでしたが、味でボンヌマールの近くだと分かりました。自分もだいぶ舌が肥えたなと思った。
写真
マスターに却下されたデュジャックのオーコンボット2004