貧乏人の「シュヴァリエ」・モンラッシェ

今日は一日店長ブルゴーニュの生産者アレックスガンバルが来ているというヴィノスやまざき有楽町店に行った。ワインバーは満席だったが、その脇で少しだけ飲んだ。


店長の福井君:「どうぞ。これ飲んでください。」
主宰:「ありがと。これはなに?」


回答せずに笑顔を見せるだけであった。ブラインドで答えろということだ。


主宰:「あ、分かった。これ、サントーバンでしょ?」
福井:「おお!さすがですねえ〜!」


サントーバン(Saint Aubin)といえば、最近はあまり言われなくなったが『貧乏人のピュリニー・モンラッシェ』などと揶揄されることもあった。
このアレックスガンバルのサントーバン1erはあの、下からバタール・モンラッシェ、モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェと続く丘の上の隣接する畑だということが分かった。
どおりでミネラル分が芳醇でそのミネラル分からの甘みが凄いわけだ。これは「シュヴァリエ・モンラッシェ」と言ってもプロを騙せるのではないか?
これで6000円は安い。さしずめ、お買い得な「貧乏人の『シュヴァリエ・モンラッシェ』」といったところだろうか?
主宰もこのお買い得な「貧乏人の『シュヴァリエ・モンラッシェ』」を買って帰った。

飲んだ酒

(白)アレックス・ガンバル サントーバン 1er レ・ムルジュ・デ・ダン・ド・シェン 2005
芳醇なミネラル、甘みがすばらしい。コストパフォーマンス素晴らしい。


(白)アレックス・ガンバル シャサーニュ・モンラッシェ 2005
シャサーニュの酸がきれいに出ていて、ヴィンテージの良さ、力強さが前面に出ていている秀逸なワイン。契約栽培の農家が良かったのか、他の2つの白ワインに比べて葡萄に力がある分主宰的にはこちらのほうが楽しめた。


(白)アレックス・ガンバル ムルソー クロ・ド・クロマン 2005
酸の乗り方はきちんと「2005している」。テロワール的に劣るとはあまり考えられない区画であり、味にもそのよさが出ているのだが、なにかこじんまりと纏まっていてムルソーの良さが出ていない。ここは思い切って、昔のガンバルのようにカリフォルニアワイン的こてこて樽固めで違いを際立たせても良かったのではないかとも思う。
畑や区画によって作り方を変えるかどうかは生産者の考え方次第だが、アメリカ人的な単純な発想で同じつくり方をしているのなら、惜しい気がする。


全体的には、相当品質は良くなってきていて洗練されてきた。一つ難点を挙げるとすれば、型にはまってスケールが小さくなっている印象を受けるのが気にかかった。確実に品質は上がってきているので、今後も是非がんばって欲しい。昔から飲んでいる蔵で思い入れあるし…。