VIPタクシー

今日は仮の姿で働いているN電気の仕事ですっかり遅くなってしまった。
2時になると隣の席の洋一(上司ということになっている)が電話でタクシーの配車を依頼し始めた。


主宰:「タクシーなら呼ばなくてもこのビルの下で待ってますよ。」
洋一:「VIP待遇のタクシーがあるからそれを呼んでるんだよ。」
主宰:「VIP待遇?なんすかそれ?」
洋一:「割り引いてくれて、ビール2本とおつまみ出してくれて、高速代も負けてくれるんだよ。」
主宰:「そういう会社があるんすか?」
洋一:「個人タクシーの組合みたいなのがあってさ、仕切っている人がいるんだよ。」
主宰:「俺もそれにする!おせーておせーて!」
洋一:「090〜…。この人にかければ仲間が来てくれて、みんなサービスしてくれるんだよ。」


主宰も電話でその「仕切っている人」に電話をかけてみた。すると、電話に出た本人が来てくれるらしい。いきなり元締め自身の配車になった。
車に乗ると、バスケットにおつまみとビール2本が用意されていた。
深夜のタクシーで気持ちよく酔っ払って帰った。