無欲ということ
今日は、巨勢典子(こせのりこ)さんというピアニストのライヴに行った。
飾り気のない、詩のような音楽だった。
「癒し系」と呼ばれる音楽が最近もてはやされているが、単純にメロディーがわざとらしく耽美的だったり、抑揚が計算されていたりして、音楽に慣れている主宰の耳のかかれば、「ネタバレ」ばればれという感じのものが多い。
巨勢さんの音楽は、そういう飾り気がまったくなく、計算もしていない。楽典という観点から見ると「はずしている」ところもあったりする。
主宰：「今日はとても面白い発見がありました。ありがとうございます。本当に欲がないというか、純粋な感じがしました。ちゃんと教育を受けているにもかかわらず、『敢えて外す』みたいなところも深いと思いました。」
巨勢：「え？『外れ』てます？自分ではわかりませんでした。作曲に関しては教育受けてないし…。」
そうか…、『外す』ところも計算していないのか…。純粋な響きの源泉は、心だけでなく、作曲技法という観点からも「無垢」であるが故なのか…。本当に驚いた。
巨勢さんの音楽は、NHKスペシャルなどのBGMに使われたりして、実は知る人ぞ知る凄い人なのです。
なのに主宰は、いつものように図々しく、馴れ馴れしく偉そうに話してしまいました。すみません。
※写真は無欲な巨勢さん(右)と強欲な主宰
