モロとモハ

16年振りの店

今日は主宰の昼の取引先の修さんと、その取引先の近くにあるメキシコ料理の店に行った。
主宰はその店は学生の頃にサントリーホールに行った帰りに寄って以来、16年振りである。

繊細なメキシコ料理

席に座ると料理に好きにかけていい辛いソースが、出てくる。

トルティーヤチップスをオーダーしてつけまくって食べた。


味はまあまあまあ、と言ったところでおいしいのだが、少し何かが違う。
素材の味が引き立っているのだ。メキシコ料理といえばもっと大雑把にごちゃ混ぜにするイメージがあるのだが、これは店の主人の経歴と性格によるものだろうと想像した。
恐らく、過去に割烹で修行をしていて後にメキシコ料理のシェフに転身したのでないかと勝手に想像した。そして血液型はA型。
今度もう一度行ったら確認してみようと思う。

電車の話

修さんは主宰より10歳以上年上だが、気さくな人柄ときちんとした信念がある方なので、話していてとても楽しかった。あっという間に三時間が過ぎた。


最初の一時間は主宰が昼の仕事で通っているN社と修さんが所属するA社のビジネスの話。
さして、次の一時間は電車の話。
最後の三十分は主宰が個人的に取り組んでいるビジネスの話。


修さんも主宰も実は電車オタクだということが分かった。
修さんはどちらかというと「電車旅オタク」で、主宰は、「車両、線路オタク」だった。
修さんは西鹿児島から28時間かけて東京まで夜行の急行で旅した話や、稚内まで普通列車で行こうとしたことなどを語ってくれた。
主宰は、車両の型式とその性能、路線による差異について語った。


修:「昔の通勤電車にあった『モロ』とか『モハ』って違いわかる?」
主宰:「『モハ』は見たことがありますけど、『モロ』って何ですか?」
修:「昔は客車に一等から三等まであって、一等が『イ』、二等が『ロ』、三等が『ハ』だったんだよ。今のグリーン車は『ロ』で、通勤電車などの普通車は『ハ』で、『一等客車』扱いのものはもう走っていないんだよね。」


まさかこんな話を延々と一時間するとは思いもかけなかった。

修さんの夢

修さんはあと5〜6年今の仕事を責任感を持って勤めきったら、秩父に住みたいという。
寺に入ってしまうか、行きたいときに好きなように寺を巡礼したいのだという。
そんな素朴な修さんの夢は一部共有してみたいとも思った。


また近いうちに修さんと飲みに行きたいものだ。


=====================================================================

ピアノ曲っぽくないピアノ曲

シューベルトピアノソナタを聴いた。全部で21曲あるが、最後の三つを立て続けに聞いた。
ピアノソナタとはいえ、ピアノの響きを追求する曲ではなく、交響曲のスコアリーディング(オーケストラのスコアを見ながらピアノを弾く、または頭の中で響きを再現する<ここでは前者>)をしているかのような曲である。
主宰がかつてよくピアノを弾いていたころは、ピアノ曲でなく管弦楽曲(ジュピター、運命、未完成、グレート、新世界よりブラームスの1&4、惑星、白鳥の湖、ロメオとジュリエット、春の祭典等々)をピアノで弾いていた(主宰の場合はスコアリーディングではなくヒアリング)ので、これらのシューベルトの曲の音符一つ一つが聴くそばから空想の世界でオーケストラの楽器に変換されていた。
実際シューベルトはスケッチ(ピアノ草稿)から交響曲を書き起こしていた。
それにしてもこの3曲は新鮮な響きだった。もう四半世紀近く芸術音楽を聴いてきたが、まだこのような曲が残っていたとはうれしい限りだ。