こんなところまで厳しい世相の影響を受けていたとは…。

今日は年末の風物詩、ベートーヴェンの第九の演奏会に行った。
ドイツ人のヴォルフ・ディーター=ハウシルト指揮の新日本フィル錦糸町にある墨田トリフォニーホールで行われた。
主宰はクラシックは好きだが何につけても季節感がない人なので、第九の演奏会といえば中学生のときに小澤征爾指揮の新日本フィルの演奏を聞いたとき以来なんと23年ぶりである。
それにしてもずいぶん長いこと芸術音楽を愛好してきたものだと思う。
それに比べれば葡萄のお酒はまだ7年。日々是勉強である。


今日の演奏会は良かった。
恐らく主宰が若い頃なら演奏会が良かったとしても、
「フルートが下手。」
オーボエは音痴。」
「トランペットセンス無い。うるさい。」(以上例です。今日の演奏会がそうだったわけではないです。)
等の発言から始まって、
「あのヴァイオリン奏者がブス。」
と、辛辣な批評家も真っ青な発言が次々と飛び出すところだっただろう。


ところが、今日は
「三楽章のホルンのソロが最高だった。」
「合唱団がうまい。相当うまい。よく練習してる。」
と、次々と賛辞の言葉が自然と出てくる。アラを探せばいくらでも出せるが、そういうことを言う気がしないのだ。
我ながら年を取ったというか、丸くなったというか…。


新日本フィルといえば学生時代の音楽の師匠の近藤氏がティンパニパートで所属しているが、今日も持ち前の透明な音色で健在振りを見せてくれたのが嬉しかった。


ただ、その近藤氏も老眼をかけ、コンサートマスターの豊島氏は髪の毛が後退し、やはり歳月の流れを感じずにはいられなかった。


あまり批評じみたことを言うつもりはないが、聴き入っているとなんとなく弦の音が薄いように感じられた。ステージに目をやるとフルオーケストラのメンバーが所狭しと並んでいるはずが、間隔的に余裕があるように感じられた。


そう。弦楽器の人数が少ないのです。
最近景気が良くなったということだが、長い不況の間にどのように経費節減をするか考えるとき、同じ音を出す弦楽器奏者をリストラしたようなのです。
NHK交響楽団のように裕福で、後ろ盾がしっかりしているところは良いが、新日本フィルのような自主運営のオーケストラはやはり財政が厳しかったのだろう。
まさかこのようなところで世相を見るとは思わず、びっくりしたのだった。

やってしまった。3

今日の夜は主宰が気に入っている品川と泉岳寺の間にあるインド料理の店「デヴィコーナー」に行った。


セナ:「ビールお注ぎします。」


主宰がビールを注ごうしたのだが、セナが瓶を主宰から取り上げる。
主宰はいつもワインなので、どうしても酒を女性にサービスする癖があるのだが、そういえば日本ではビールは女性がお酌する文化だった。忘れてた。
(最近そんな文化も廃れつつあるが…。セナは伝統を重んじるA型。礼儀を重んじる業界の人。)


この店に行くと、いつも腹15分目食べてしまう…。またしてもやってしまった。