蝶野先輩

今日のワインたち

今日はコンコンブルでプレワイン会だった。
メンバーは、まりりん、えりこ、かずひろ、主宰の四人だ。
いつものワイン会で、ひろゆきシェフが主宰のワイン会のためだけにメニューに無い特別のコース料理をつくってくれるのだが、ワインに合う料理を作るために事前にワインを飲んでもらわなければならない。
それがプレワイン会であり、今回は10日のワイン会に備えてプレワイン会を行った。


店に入ると、知った顔があった。
ヴィノスやまざきのあきら店長がいた。しばらくすると主宰の存在に気がつき、持ち込んだワインのボトルを掲げ始めた。


(赤)シャトーレゾリュー青ラベル(コルビエール)
(赤)シャトーリヴェンヌ(プルミエコートドプライ)


主宰も対抗して今日飲むワインを掲げた。


(白)シャトーシャロンアカシア(プルミエコートドブライ)
(赤)ストーンヘッジカベルネソーヴィニョン
(赤)シャトームーランオーラロック(フロンサック)


お互いやまざきのワインは知り尽くしているので離れていてもラベルをみてどこのどんなワインかはすぐに分かった。


主宰は3本もって来ていたが、まずは店のハウスシャンパンになっているニコラフィアットを注文した。


主宰:「まずはシャンパンで乾杯しましょう!! 季節の料理でシャンパンにとても合うやつがあるので、それを食べましょう。あそこに書いてあります。」
かずひろ:「『牛の頬肉のラヴィゴットソース』ですか?」
主宰:「そうだよ。」
かずひろ:「シャンパンに頬肉ですか?意外だなあ…」


この時点では全く信じていなかったらしいが、食べて納得、というより感動していた。


かずひろ:「なるほど!!!このソースなら確かにシャンパンに合うなあ。しかし、食事の初っ端から頬肉という演出は奇抜ですねえ…。」
まりりん:「いつものコース料理だと、肉料理は酔っ払ったときにしか食べないからたまにはこういうのもいいかも。」
主宰:「じゃあ、今度逆コースやろうか?最初はデザートとコーヒーから始まって肉、魚、前菜と進んでいく…。ワインは最初からデザートワインをあけて、赤、白と進んで最後は『とりあえずビール』で締める。」
えりこ:「えー。最初からデザート?」


そうこうしているうちに冷やしておいた白ワインが開いてきたので、シェフとソムリエに飲んでもらった。


ひろゆきシェフ:「これはいいワインですね。どこのですか?」
主宰:「ボルドーです。プルミエコートドブライです。」
ひろゆきシェフ:「これがボルドーですか!?驚きですね。こういう知られていないいいワインがまだまだたくさんあるんですねえ…。ちょっとこのワインに合わせて当日(10日)の試作もかねて料理をつくってみます。」


料理が出てきた。白ワインの足の長い苦味にマッチするように数種類の刻んだ野菜が入っているコニャック等を使った甘辛いソースがかかった鱸のグリルだ。

ワインと最高にマッチし、かつおいしい料理は最高だった。
あまりに美味しくて書きようがないのだが、10日に参加する方は楽しみにしててください。


さて、赤の出番が来た。再びシェフとソムリエに飲んでもらった。


ひろゆきシェフ:「これもいいですね。香りがすばらしいですね。葡萄も申し分ないですね…。どこのですか?」
主宰:「フロンサックです。今日は2000年ですけど、当日は1990と1995が出ますのでこれより少しワイルドな感じだと思いますのでよろしくお願いします。」
ひろゆきシェフ:「わかりました。ちょっとこれも当日の試作もかねて料理をつくってみますね。」


料理が出てきた。グランヴァンに近い味で、分かりやすいカベルネの味なので牛肉でくると思っていたが、なんと鴨肉!! しかも網焼き。網焼きだが濃厚な赤ワインソースがかかっているという奇想天外な料理だ。

通常、マリアージュと言えば共通する味の要素一つをとって考えることが多いが、この料理はワインとの複数の要素がマリアージュしていた。


カベルネの濃厚さ」=「赤ワインソース」=「鴨の血」
「焦がした樽の苦味」=「網焼きの焦げ目」


主宰:「本当にうまいですね。ところで、この赤ワインソースはこのワインを使えばもっと美味しくできると言うことですか?」
ひろゆきシェフ:「予算が許すのであれば、是非そうして頂きたいです。」
主宰:「では今日のこのワイン、いま半分あるのですがこれで足りますか?」
ひろゆきシェフ:「なんとかなると思います。」


当日はさらにワインにマッチした赤ワインソースが出てくると言うことで、本当に楽しみだ。


この宴を通じていろいろな雑談をしていたが、その中でまりりんと主宰がプロレスの話になり、それを聞いていたかずひろが、


「じつは俺、プロレス大好きなんですよ。」


ということで一緒に見に行こう、とか過去の名勝負の話で盛り上がっていた。
で、もうそろそろ帰ろうかというときに…、


ひろゆきシェフ:「村松さん(主宰の本名)、プロレス好きなんですか?実は私、新日の蝶野正洋と知り合いなんですよ。高校のときの一つ上の先輩なんですよ。」


蝶野は高校のときから髭を生やしていて、きめの細かいパンチパーマで付近の高校では敵なしだったそうである。いろいろといじめられたが、楽しい思い出もたくさんあると言う。たまたま渋谷ですれ違ったことがあったらしい。


ひろゆきシェフ:「蝶野先輩!!! 押忍!!!! ご無沙汰しています!!!!」
蝶野:「おお伊藤!!!元気か?お前今なにやってんだ?」
ひろゆきシェフ:「この近くでフランス料理やってるんですよ。是非一度食べに来てくださいよ!!!」
蝶野:「うまいのかよ?」
ひろゆきシェフ:「おいしいですよ。絶対おいしいから是非今度食べにきてください。」
蝶野:「本当かよ!?」


ひろゆきシェフは近いうちに思い出の蝶野先輩に食べに来てもらいたいと言っていた。予約が入ったら残りの席は全部主宰が予約して、


蝶野正洋を囲むワイン会」


をしようかな…。