ラテンの血

昨日胃袋女がルーマニアワインの試飲会に行ったそうで、主宰も暇だったら是非と言ってくれたので行ってみた。ちょうど今日までだった。
内容や薀蓄については胃袋日記をご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/mari37/20100727


それにつけてもイベントの題名がいびつだ。


「ヨーロッパワインフェスタ2010年」


ルーマニアの、しかもその中の一社のセナトール社のワインを紹介するのにEUの予算をもらっているからと言って「ヨーロッパワイン」と掲げなければいけないとは…。


プレゼンテーションが終わって、試飲タイムが来た。びっくりしたのはソーヴィニョンブラン。「SAUVINON BANC」と書いてあるのだ。でも、裏ラベルを見るとちゃんと「Sauvinon Blanc」と書いてある。


主宰:「これってスペルミスですか?」
係の人:「はい、これは確かにソーヴィニョンブランとは書いてません。この『BANC』とはルーマニア語で冗談という意味です。ラテン系のノリですかね。」
主宰:「へえ〜。面白いねえ。いいねえ。」
係の人:「でも、来年からは正しい綴りにするそうです。」
主宰:「なんだあ。これ、面白いのに。」


フランスなどの高級ワインは今後、中国などの新興国の富裕層にごっそりと買われていってしまうに違いない。数年以内に東欧のワインが店頭にたくさん並ぶようになるだろう。
そもそも東欧はワインの起源の地とも言われることがあるくらい歴史が古く、味わい深いものも多い。冷戦時代に遅れた栽培技術、醸造技術を取り戻せば、このセナトール社のワインも含め我々を楽しませてくれるようになるだろう。


セナトール社のワインは極めてまじめに作られている印象だ。全体的に白は果実味を、赤はミネラル感を出そうという感じがするが、どちらかと言うと白のほうがバランスがよくて垢抜けているように感じる。
赤は仕込み時の葡萄との会話が足りない気がする。テロワールと「ルーマニアの伝統的なワイン造り」を重視するあまり葡萄の状態に合わせた醸造がいまいちできていない印象をうけた。頑固でまじめな生産者がそのようにことになりやすいが、毎年毎年の閃きのエッセンスが入ればもう少し楽しい味わいになるのではないか。

買った酒

(白)セナトール モンシェール バベアスカ・グリ 2008 IG