ありえないワイン会

bebian912010-01-16

今日はまり子先生のワインとお料理の教室「ボンヌ・ソワレ」のありえないワイン会に参加した。
会費12000円でまり子先生が作る美味しいコース料理のほかに後述のワインが出てきた。あり得ない。

皆からブーイング

会が最も盛り上がっている頃に、五反田の王豚足家で働く美花(ミファ)から電話があった。


美花:「いま大丈夫ですか?」
主宰:「いま酒飲んでんだよ。」


と言いながらダイニングを出た。
戻ってくると、皆から冷たい視線が…。


隣に座っていた佐枝子さん:「なんですか『酒』って。やっぱりワインでしょ。せめて葡萄酒とか…。」
主宰:「なになに? 俺顰蹙買ってんの?」
佐枝子:「そうですよ。みんな引いてましたよ。」
主宰:「酒は酒じゃん。なんか間違ってる?」


まり子先生のサロンは上品な方が多くて、主宰語はあまり馴染まなかったようだ。
肘ついてワイン飲んでいたのも主宰だけだったし…。もう少しお上品にならないとだめかなあ?

ありえない今日の酒

今日の主催者の和知さんが、飲みたいワインを並べたという豪華なワインたち(メオ・カミュゼはまり子先生のリクエスト)。こんなにいい酒ばかりでは逆に有り難味がなくなりそうだが、会の後、家でそれぞれの生産者について調べると、ただ有名だからという選択でなく、それぞれに面白い薀蓄が一杯つまっている生産者が多く、後からその有り難味が分かったのだった。お目が高い。
自分が主催するワイン会ばかりで酒を飲んでいると、好みのもの、良く知っているものばかりを並べてしまう。今日はとてもいい勉強になりました。


(白)ディディエ・ダグノー "パラドクス" 2003 ACブラン・フュメ・ド・プイー(写真)
のっけからミネラルと果実味が押し寄せる凄いワインが登場した。押し寄せるがしつこくは無い。このあたりは生産者のセンスなのだろう。それでもダグノーの他のヴィンテージに比べると果実味と甘みが強めに感じられた。なんで最初からこんなワインが…。


(白)ドメーヌ・ルイ・ラトゥール コルトン・シャルルマーニュ 2002
思ったより褐色がかっていて熟成が早めのボトルであることを窺わせる。客観的に美味しいワインであることは認識できた。が、もし、ダグノーとこれをこの順番でブラインドで出されたらブルゴーニュ・ブランとかオートコートド・ニュイ・ブランとか言ってしまいそうである。
ちなみに、好きな酒です。


(白)マルセル・ダイス アルテンベルク・ド・ベルクハイム 1995 ACアルザスグランクリュ
マルセル・ダイスによる13種の混植によるテロワールの表現は芸術といっていい。もちろん美味しいのだが、その形容では意味が足りない上に生ぬるい。「素晴らしい」という表現を使うことでその20%程度を表現することができよう。これの1995を飲めるなんてなんて果報者なんだ!


(赤)ドメーヌ・ルネ・アンジェル クロ・ド・ヴージョ 2001
(赤)ドメーヌ・メオ・カミュゼ クロ・ド・ヴージョ 2004
素直に飲めばいいものを、クロ・ド・ヴージョと聞くとテロワールの質についてあれこれ考えてしまう。ルネ・アンジェルはあまりいい区画ではないように思える。質的にはプルミエクリュくらいのテロワールだろう。それ故、2001が今飲み頃なのだろう。
メオ・カミュゼはそのあたりはまったく問題なく、まさにスター生産者の味だった。欲を言えば2004なら10年後に飲みたかった。


(赤)シャトー・コス・デストゥルネル 1988 ACサンテステフ(2級)
熟成はしているが、なお若々しいカベルネの主張が続く。強い酒が好きな人にはいい味だっただろう。主宰的には10年後に想定できる味が好みだ。


(赤)シャトー・レオヴィル・ラスカーズ 1992 ACサンジュリアン(2級)
コスデス同様、若々しいカベルネの主張で始まった。主宰以外の参加者の皆さんはお酒が強いようで、すぐになくなってしまった。主宰はゆっくりゆっくり飲みながら注いでから37分を経過した頃に、突然開き始めたラスカーズを楽しむことができた。


(赤)ムーラン・ド・ガサック マ・ド・ドゥマ・ガサック 1996 VDP
滑らかな舌触りが印象的なエレガントな熟成をしたいい南仏の酒だった。ただ、コスデスとラスカーズの後では香りが少なく感じられてしまって少し残念ではあった。まり手先生が用意してくれたチーズとはぴったりの相性だった。