軟らかい心
今日はまず、エノテカ銀座店の文博に呼ばれていたので店に行った。ラヴノーのシャブリ1erブトーが8000円を切るということだったので、それは買わなければと言うことでかねてより行くことにしていたのだった。
しかし、既に多すぎるほどワインを持っているので他には買わないと心に誓っていたのだった。
文博:「いらっしゃいませ。」
主宰:「ラヴノーが安いのはいいけど、他のはみんな高いなあ…。」
文博:「そうなんですよ。」
文博も主宰の空気を察してあれこれすすめてこない。ずっとブルゴーニュの話で盛り上がっていた。セラー室は寒いのでもうそろそろ帰ろうかというときになって、とあるワインが目に留まってしまった…。
主宰:「ああっ! なんてものを見てしまったんだ! 安いなあ…。」
文博:「今日はガードが固そうだったから何もすすめなかったんですけど、買いますか?」
主宰:「う〜ん…、これをこの値段で目にしてしまったら買わないわけには行かないだろう。」
文博:「ガード固そうだったのに…。ありがとうございます(ニヤリ!)」
なんて弱っちい誓いなんだ…。
主宰のガードを一瞬で崩し去ったワインは右上の写真です。
過大な重責
昨日の夜はワイナート37号のサンテミリオン特集を読んでいた。オーゾンヌやシュヴァルブランに思いを馳せながら、サンテミリオンを飲みたいと思っていた。
1日はヴィノスやまざきのポイント倍デーなので、頒布会のワインを引き取りに来たら「プレステージ赤白コース」の赤はサンテミリオンだったのでボトルごとバーで飲むことにした。
オーゾンヌやシュヴァルブランと直接比べられるわけではないが、それにしても主宰の頭の中にある正確な味の記憶とともに飲まれる普通のサンテミリオン・グランクリュ(注)とは、なんと重い十字架を背負ったボトルだろう!
主宰はその記憶を一生懸命棚上げしながら、頒布会のサンテミリオンに集中した。
もちろん、シュヴァルブランの味を忘れることなどできないが、それはそれとして頒布会のサンテミリオンは1本2500円ということを考えると出色の酒だった。
その後、弟子のマヤが合流した。マヤがカウンターに陣取っただけで遠藤君が苦笑いしている。
主宰:「なんで笑ってんの?(笑)」
遠藤:「いやあ…。」
主宰:「マヤをブスだと思ってるんでしょ?」
遠藤:「もう…、やめてくださいよ〜。僕は何も言ってませんからね。」
主宰:「その言葉の行間を読むと…。」
遠藤:「もう、勘弁してくださいよお〜。」
しばらくそのネタでいじめました。マヤも一緒になっていじめてました。マヤが言うと自虐ネタになってしまうのに…。
今日もブスという言葉を口にしてしまって人としてずれている主宰が言うのもなんだが、マヤは最近かわいくなったと評判です。
(注)サンテミリオン・グランクリュ
サンテミリオン村で決まった収量を守れば、ほぼすべての蔵がこのAOCを名乗ることができる。少なくとも日本ではACサンテミリオンよりACサンテミリオングランクリュのほうが圧倒的に多く売られている。
格付け的に本当に凄いのは、プルミエ・グランクリュ・クラッセAのオーゾンヌとシュヴァルブランの2シャトー、同Bのアンジェリュス、ボーセジュール・ベコ、パヴィなどの13シャトーだ。
その下にグランクリュ・クラッセのシャトーがある程度の数存在し、そのほかはほとんどがサンテミリオン・グランクリュとなっている。
ちなみに、オーゾンヌとシュヴァルブランと変わらない価格(またはそれ以上)で取引されているヴァランドローは、ただのサンテミリオン・グランクリュであり、ある意味奇妙ではある。
フランスのワイン用語としていろいろな場面で登場する「グランクリュ」だが、サンテミリオンのそれは意味合いが軽いように感じられる。