任されました

bebian912009-03-21

今日は胃袋女と一緒に奈緒美の家に行った。

不思議な家

今日の趣旨は、「テラスでシャンパン」ということだった。どんなテラスなのか非常にわくわくしていた。
まず建物の外観だが、打ちっぱなし風のところに白く塗られていたり黒い部分もあったりなどかなり個性的な感じだ。玄関からはすぐに階段になっていて、寝室とバスルームとトイレが2階で、リビングが3階にある。内装は全体的に白を基調としたかなりお洒落なマンションだ。で、そのリビングから見えるベランダでシャンパンを飲むのかと思いきや、リビングから奥のドアをあけるとアウトドアの階段があり、上れるようになっていた。ここから屋上のテラスに上がるのだという。
リビングから屋上に上がるドアをあけると、その正面に向かいの建物の3階の玄関が1.5m先に見える。その3階の玄関へ行くための階段の続きのような形で、奈緒美の部屋のリビングから屋上のテラスへ行く階段がある。もちろん、その間には鉄格子があるので向かいの家の玄関から奈緒美のテラスへ行くことは出来ない。
が、なんか不思議な構造が面白かった。
笑ったのは、その直後。その階段を上がって奈緒美の部屋の上にある屋上に出るのだと思っていたら、その向かいの建物の屋上に続いていたのだ。
なんという奇想天外な構造・発想だろう。デザイナーズマンションではないと言う話だったが、相当ひねくれたAB型の建築設計士が考えたのではないか?と思うような構造だった。

ワインの選択

奈緒美:「何飲みますか?シュヴァルブランにしますか?オーゾンヌもありますよ。5大シャトーが良いんでしたらオーブリオンとマルゴーもありますよ。そういえば村松さんはブルゴーニュが好きだから、リシュブール(ドメーヌ・アンヌ=フランソワーズ・グロ 2002)あけてもいいですよ。」
主宰:「まじで?迷うなあ…、でもここはやはり右岸のグランヴァンがいいなあ。シュヴァルブランかオーゾンヌかなあ…。何年なの?」
奈緒美:「シュヴァルブランはあたしの生まれ年の69年で、オーゾンヌは旦那の生まれ年の70年ですよ。」
主宰:「はあ? そんなの飲んじゃっていいの?」
奈緒美:「この貯蔵はワインセラーじゃなくてクーラーだから早く飲んだほうが良いんですよ。どうせなら喜ぶ人、価値が分かる人に飲んでもらうほうが…。」
主宰:「あっそう。じゃあ、残念ながら旦那さんが不在なので70年は取っとくとして、シュヴァルブランにしましょうか。」

勝手にやってください

今日の朝11時、突然奈緒美からメールが来た。


「ワインと簡単なおつまみを用意しましたので、足りなければ何かお持ちになるか、うちの食材を適当に料理してください。」


直前に超B型なメールが来たので面白かったが、つまみが少ないと言うのは放置できないので、虎の子の最後の超巨大タラバガニを持参することにした。


ワインの選択が終わると、宴の準備に取り掛かったが、奈緒美の準備は既に完了していた。バスケットにチーズとパテなどが数種類入っていた。


主宰:「じゃあ、準備するからキッチン使うよ!」
奈緒美:「どうぞどうぞ! 勝手にやってください!今日は任せました!」
胃袋女:「わーい♪」


「勝手にやっていい」、「任せた」と聞いた胃袋女と主宰は遠慮なくキッチンに入り、胃袋女は持参した自家製のハムを切り、主宰はカニを解凍するためにナベにカニを入れた。
奈緒美も最初はそれらを手伝おうとしてキッチンに入ったが、3人キッチンにいると狭苦しいので、結局料理が好きな主宰と胃袋女がキッチンに残り、奈緒美はシャンパンを飲んでいた。


奈緒美:「ああ…、楽でいいわあ♪」

こだわりの食材

カニの解凍は弱火にしたつもりだったが、強火になっていた。しかも15分も熱してしまったので完全に蒸し上がり、カニの身から水分が抜けていた。
それでも巨大なカニなので、カニ肉の太さはフランクフルトほどあり、却って旨みが凝縮して美味しかった。


胃袋女:「強火にしちゃったんだったら、汁がたくさん出たよねえ。もったいないねえ。なんか良い食べ方はないかなあ?」
主宰:「じゃあ、俺がリゾットでも作るか。」
奈緒美:「わーい、やったー♪つくってつくって!」
主宰:「奈緒美さんちにある米ってどんなやつ?」


奈緒美が不敵な笑みを浮かべながら米の入った箱を持ってきた。


奈緒美:「イタリア米。リゾットにぴったりよ!」
主宰:「おお!」
奈緒美:「魚介系の出汁だから、オリーブオイルは柔らかい味のものがよさそうね。」


といいながら、よさそうなエクストラバージンオイルを出してくれた。
舐めると、滑らかでうまい。


主宰:「オリーブオイルといえば、だいぶ前にサッシカイアのオリーブオイルって言うのをつかったことがあってさあ。結構美味しかったんだよねえ。」


すると奈緒美が再び不敵な笑みを浮かべた。


奈緒美:「はい!」


と言って別のオリーブオイルを主宰に渡した。


主宰:「ん? オルネライア? オルネライアもオリーブオイルがあったの?知らなかった…。」


舐めると、主張がはっきりしていてうまい。専門のメーカーに比べ、ワイン生産者のオリーブオイルは全体的に味がはっきりしていて主張があるが、オルネライアはその最たるものの一つだった。


カニの出汁はかなり凝縮されていて、誤って強火にしてしまったため味が力強く量も多く、胃袋女が作ってきたハムの出汁も混ぜることにしたので、オルネライアのオリーブオイルでも十分に渡り合えると判断し、オリーブオイルは最初のものを使わずに、オルネライアを使うことにした。
にんにくは実が厚く、当然青森産だった。塩は灰色っぽい茶色でフランス産の岩塩だった。


主宰は偉そうに「作る」と言っておきながら、実はリゾットをきちんとした作り方で作るのは初めてで、適当に素材を切ったり米を炒めたりした後、30分間ナベで米をかき混ぜて水を足しながら作った。
多少アルデンテ過ぎた感がしなくもないが、味付けはイメージどおりでとても美味しく食べることが出来た。これだけの素材を使ってまずかったらばちが当たりそうな感じだったので、美味しくできてよかった。


今日はここ半年くらいで一番幸せな日だったかもしれない。

今日の酒

(泡)ジャン・シャルル・ミラン キュヴェ・テール・ド・ノエル 2002 ACシャンパーニュ(オジェ村<グランクリュ>)
ミランはいつ飲んでもうまい。


(赤)シャトー・シュヴァル・ブラン 1969 ACサンテミリオン・プルミエ・グランクリュ・クラッセA
多少疲れていたが北斗孫家拳で疲れを取り除き、美味しく頂くことができた。初めての経験にサンテミリオンの真髄を見た。

写真

右上の写真は奈緒美の家のテラスでの奈緒美(左)と胃袋女
そのほかの写真はmixiにアップしました。