ワイナート風ラーメン採点2

凡例

95点以上…偉大なラーメン
90〜94点…素晴らしいラーメン
85〜89点…とても良いラーメン
80〜84点…良いラーメン
75〜79点…好ましいラーメン
70〜75点…楽しめるラーメン
60〜69点…欠点を持つラーメン
59点以下…お勧めしないラーメン


その他の基準等については初回の「ワイナート風ラーメン採点」をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/bebian91/20080812

六厘舎(大崎)

つけ麺 60点


いろいろな意味で面白い店だった。


3年前にオープンして一気に有名になり、今は40分の行列ができると言うので行ってみた。ちなみに主宰のアジトから歩いて3分です。
AM11時40分に到着したが、既に店の前に20名近く並んでいる。これは想定内。店の人にどれくらい待つか聞くと、40分程度だと言うので待つことにした。
が、列がなかなか動かない。どうも入れ替え制だということが分かる。そして、列が進んでも店の横にもさらに行列があることが分かり、唖然とした。
それにしても一回転が本当に遅く、20分かかっている。12席しかないので、これでは気が遠くなる時間がかかりそうだと思ったが、案の定80分待たされた。


さて、肝心のつけ麺だが…。麺はつけ麺としての標準的な太さよりやや太目か…。魚の出汁を中心に取ったと思われるスープの上にさらに魚粉がのっている。これが麺によく絡むので、最後まで飽きない味で楽しめる。
つけ麺は、普通は麺が冷たいので、スープの温度がどんどん下がって最後のほうでは体温程度になってしまって美味しく食べられないが、この店は(つけ麺の)暖かい麺を選べるのが良い。
味は、旨いは旨いし個性的ではある。が、それほど驚くべき味だろうか?
魚の出汁と魚粉ではっきりした味になっているので分かりやすい味ではあるが、余韻とかコクみたいなものは感じられず(普通ラーメンに求めるものではないが)、極上の幸福感に浸れると言う代物ではない。端的に言えば美味しいものを知らない人が喜ぶ味だろう。


それにつけてもこの店は、マーケティングのうまさと言うか、戦略みたいなものが鼻につく。
まず、16時半頃スープがなくなったら閉店なのだそうだが、楽天で大々的に「六厘舎のつけ麺」が販売されている。美味しく提供しようと言うこだわりがあるならば、スープがなくなるなどと嘘をつく前に通販などしなければ良い。
主宰もそもそも、「スープがなくなったら終了」に釣られて昼にわざわざ足を運んだのだった。やられた。
しかも、「六厘舎」という言葉のファーストコンタクトは楽天のプラチナ会員のページでの案内だった。「ずっと行列で昼過ぎに閉まってしまう店」と主宰の脳裏にインプットされていたのだ。二重にやられていた。


長い行列は、回転をわざと遅くすることで(マーケティング効果を狙って)恣意的に作られたものだ。見ていて分かるが、店のスタッフ(3人)がフルに動けば20分で12人しか捌けないと言うことは絶対にありえない。その証拠に、出前を受け付けている。常識的に考えて、行列の店は出前などやらないだろう。最近は出前の範囲がさらに広がった(店の張り紙)のだそうだ。どこまでも商魂逞しい。
そもそも店のレイアウトも不自然で、厨房の広さに対して席が狭い。これも、回転を遅くして行列を作るための演出に他ならない。
きっとこの店は、敏腕プロデューサーが仕掛けているのだろう。


味だけ考えれば85点をつけてもいいところだが、60分以上待つなら拝んで食べるほど崇高な味でなければならない(なんだそれ?)ので-5点、値段が高いので-5点。1100円(つけ麺850円、ほぐし豚150円、味玉100円)なら、もっと違う幸せがあるだろう。最後に店の経営姿勢で-15点とした。


行列がなければ、行く価値はある。あっても行く価値があると思っている人が多いのかもしれないが、あまりに不自然な戦略で急激に有名になったので一見さんも多そうだった。そのうち空いてくる可能性があると思っているので、そのときには店も原点に立ち返るだろう。後年ゆっくり堪能したい。


よくよく考えると、主宰はものすごく近くに住んでいるので、ありえない出前を逆手にとって、出前を頼めば良いのではないか!
六厘舎のつけ麺を食べてみたい人をうちに集めて「六厘舎の会」でも開こうか!?


ワインに例えれば、ブルゴーニュなのに崇高さよりも造りやすさ、わかりやすい味で、味盲のアメリカ人の間で評価が高いミシェル・グロ。商魂は、かつてのロバート・モンダヴィのそれに近いが、この店は比べるべくもなくエグい。


この店を訪ねた後「こち亀」を思い出しました。
この物語は本物の店を立ち直らせる話なので、少しニュアンスは違いますが…。楽しい話です。
http://www.youtube.com/watch?v=STFeY8ivrNY
http://www.youtube.com/watch?v=Rn8K37CJEVE&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=IHJA4j7jCkI&NR=1
富山敬の声が懐かしい…。

麺屋武蔵(高田馬場)

温かいラーメン全般 64点
季節の冷たいラーメン 55点
質より量で勝負するつけ麺の麺屋武蔵が馬場にもあったとは…。
怖いもの見たさに入ってみた。相変わらずゴムのような食感のイケてない麺がたくさん出てくる。
ここはつけ麺だけでなく、ラーメンもある。スープには工夫が感じられそれなりに美味しいのだが、麺がまずい。何を思ったか主宰は大盛りを頼んでしまったが、食べ始めると麺がいつまでも減らない。店員に聞くと、普通盛で200g、大盛りで400gあるそうだ。
味は決してよくないが、量に特化したホスピタリティは渋谷と同様だった。
ラーメンはまあ食べられる。「季節の冷たいラーメン」は料理の体を成していない。(2008.8)

蒙古タンメン中本目黒店

辛いラーメン全般(辛さ6以上) 81点
かつて新宿店に行ったことがあり、ぬるくてまずいスープに憤慨して二度と行かないと誓ったが、2年前にオープンした目黒店に来てみた(2008/11)。
かつての新宿のイメージとは違い、スープは熱く、麺はのびることなく、とても良い状態でラーメンが提供された。
この店は好みが分かれるところだが、目黒店のようなサービスであれば中本は一つの完成形として大いに評価に値すると思う。
あまりに唐辛子が多く次の日にお腹を壊すことがあるので、大事なイベントがある前日は控えたい。

IBUKI(半蔵門)

ラーメン類 72点
つけ麺類 77点
主宰の従兄妹の最近結婚した旦那の妹の旦那が経営する店。
まず、床が油っぽくて滑る。店内はなんとなく喫茶店風に飾ってあって小洒落た感じを演出しようとしているのは分かるが、床がこれでは…。
スープの出汁は、カツオとホタテでとっているものと思われるコクのある魚貝系の味。
つけ麺の太麺の食感はなかなかいい。もう少し麺と絡むつゆだといいのだが…。
全体的に味はそこそこだが、迷いが感じられ確固たる信念が伝わってこない。
一品料理も通り一遍だが、味はまあまあ。
ただ、「焼きチャーシュー」などという意味の無いメニューがあったりするところが、「外している」感じがしてしまう。
場所がいい(半蔵門駅の上のビル)ので、そこそこ流行っているようだ。

環七土佐っ子ラーメン(池袋)

ラーメン全般 87点
かつて環七沿い(東武東上線あたり)にあった土佐っ子ラーメンの支店として出来たが、駐車違反の規定が厳しくなり本店?が店を畳んでいまは池袋のこの店だけが残る。「環七」とはその名残である。
14年ぶりに行った(2009/1月)が、どこまでも濃い遠慮のない醤油味とラードを網ですくってたらふく振り掛けるやり方は変わっていなかった。
多少味がおとなしくなったようだが、世界一不健康と思われるこのラーメンには迷いがなく確固たる信念が感じられる。すべてにおいて濃厚この上ないスープは麺だけでなく、舌にもグッと絡み、濃すぎて甘みすら感じる醤油の余韻もとても強烈な印象を残す。
人によっては下品な味と感じるだろうが、正直、うまい。
セット物のサイドメニューはチャーシュー丼がかなりうまい。マーボー丼はいまいち。

七志とんこつ編渋谷道玄坂

ラーメン全般 75点
それなりに美味しいし、いろいろと工夫もしている。店も小洒落た雰囲気でいいが、値段が高い。
もういかない。