ワイナート風ラーメン採点

凡例

95点以上…偉大なラーメン
90〜94点…素晴らしいラーメン
85〜89点…とても良いラーメン
80〜84点…良いラーメン
75〜79点…好ましいラーメン
70〜75点…楽しめるラーメン
60〜69点…欠点を持つラーメン
59点以下…お勧めしないラーメン

100点満点の内訳

①基本点 50点
②内部的構造<知性的分析的把握> 35点(味、麺のコシ、香り、食感、余韻、麺とスープのバランス・絡み等)
③内在的審美的価値<感性的総合的把握> 15点(考え方、品性、ホスピタリティ)


というのは建前で、100%が「主宰的感性的B型的把握」である。
ワイナートの田中主筆も同様のはず。(B型だそうです。)

採点コンセプト

極めてA級グルメ的な視点で見るので、店の考え方、味のコンセプトの方向性、エネルギー感とそのベクトルが明確に伝わってくるラーメンを高く評価することになる。
その考え方は、経済的に外食はラーメンまたはそれに順ずる価格のもの一辺倒である人々のそれとは違うので、採点がよいからと言って混んでいるわけでもないし、逆もまた然りである。
よって59点以下のラーメン以外は何かしらみどころがあると考えていただきたい。
ラーメンは一般的にはワインと違ってバランスはそれほど重要ではなく、大きな欠点が複数あるとしても、長所があれば目を瞑る事ができる、そういう食べ物であり、主宰もB級グルメ的な感性でラーメンを食べることがままある。
採点が低い場合でも、その個性、長所についてはきちんと記述したつもりだ。

ラーメン二郎歌舞伎町店

(ラ)ラーメン 69点
混雑度:最近数回前を通ったが、行列は必ずある。
客層:ブルーカラー風労働者、ホスト、呼び込み等、ほとんど男性


主宰の主観ではそんなに美味しいとは思わないが、ボリューム感と脂っこさが好きな人には好きだろう。ラーメンが出てくる直前に無料のトッピングするかどうか聞かれることになっていて、下記の4種から選べる。


・野菜増し
・にんにく増し
・脂増し
・醤油増し


主宰は試しに『全部増し』と言ってみた。脂が多いのは良いが、醤油が濃いのはいまいちだった。にんにく増しはスープをにんにく一色に染めてしまうので、本当に好きな人以外はお勧めできない。
隣のおじさんが「野菜増し増し、にんにく増し」と言っていたが、するとおびただしいもやしの量のどんぶりが登場した。無料トッピングは制限がないのだそうだ。「増し増し」という響きが面白く、店独自の文化を創っているという点も評価できる。
ボリュームが凄かったので食べるのが大変だったが何とか完食に近づくと、麺になにかゴミだかカスのような物がからんでくる。よく見ると、だしをとった後の野菜や肉のカスだった。普通そのようなカスはざるですくって除去すると思うが、スープを「ノンフィルター」で出してくることに衝撃を受けた。実際に調理場を見てみると、ざるはスープのカマからカスを拾ってくるためには使うが、どんぶりにスープを注ぐ際にはざるを使っていなかった。どこまでもワイルドな店だ。
どんぶりに取り分けてからもカスの旨みを引き出す?『シュールリー』のラーメンは他では見たことがない。
あるラーメンライター?の方の言葉「これはラーメンではない。二郎という食べ物なのだ。」は納得させられる。
ちなみに、歌舞伎町店は二郎の中では「二郎らしくない店」だとのこと。他の店はもっと強烈なのか?


ワインに例えれば、全体像ははっきりしているがシャンベルタンを機械収穫するなど粗雑なところがあるアンリ・ルブルソーといったところか。

天鳳(六本木)

(ラ)ラーメン 88点
(ラ)135<いちさんご> 97点
(ラ)めんばり 95点


混雑度:行列はあるときもあるが、それほど待たない。
客層:サラリーマンが多い。飲みの後の〆が多い。


どんぶりの中に整然とたたずむ、スープ、麺、チャーシュー、わかめ、長ネギ等。どのような味で客に食べられるべきかをそれぞれの素材が認識しているが如く、味が絡み、旨い。
それぞの素材は各々違う味がついているが、それらの組み合わせは「麺とメンマ」「チャーシューと長ネギ」等どのような組み合わせであっても口の中で絶妙な調和を見せる。
「1・3・5」は、麺チョイ固め、チョイ脂増し、チョイ塩多めだが、このバランスのときが上記の長所が一番発揮されるように思う。麺超固め、超脂増し、超塩多めの「めんばり」は、好みが分かれるところだが、癖になる。特に麺の歯ごたえは忘れられない。
普通のラーメンだと、上記の長所の絡み方が甘くなるが、それでも十分に旨い。
ラーメン好きより、普段フレンチ、イタリアン等を食べてる人に勧めたい芸術的なラーメンだ。


ワインに例えれば、ドメーヌ・ルロワ。

神座<かむくら>(センター街)

(ラ)おいしいラーメン 85点
混雑度:行列はあるときもあるが、それほど待たない。
客層:若年層、カップルなどが多い。


関東人には慣れない味だが、店が喧伝しているとおり慣れるにしたがって癖になる。塩分より出汁系の旨みが中心のところも関西らしい。チェーン店ではあるが一定した味わいは評価できる。
味だけ考えればもう少し高い点をつけても良いが、大盛250円増しがケチ臭いので、ホスピタリティの点でマイナス。


ワインに例えれば、後から味が湧き上がるドメーヌ・ポンソ。

味源熊祭(渋谷)

(ラ)ラーメン全般(札幌味噌、旭川醤油、函館塩) 87点
混雑度:引っ越して場所と名前が変わってから混まなくなった。
客層:渋谷系


太麺とスープが良く絡む、濃い目の味とボリュームがうれしい。素材の味より、全体の味の統一感が優先している。もっと言うと、札幌味噌、旭川醤油、函館塩も味に統一感がある。(味の違いが描ききれていない。)
普通のラーメンとして完成度が高く、安心してリピートできる。


ワインにたとえれば、美味しいワインを造るがテロワールの違いを描ききれていなかった、昔のペロミノ。

一源(渋谷)

(ラ)ラーメン全般 72点
混雑度:混むときもあるが、待たない。
客層:サラリーマン


具の素材の味はそれぞれ描き分けられていて主宰の好きなタイプだが、化学調味料が舌につく。


ワインにたとえれば、すばらしい畑を持っていて味もそこそこなのに、いまだに除草剤を使用しているフランソワ・ラマルシュ。

味源(渋谷)

(ラ)ラーメン全般 52点


混雑度:すいている
客層:味音痴


いまの「味源熊祭」が経営権を大手企業に譲り、かつての「味源」と同じ場所、同じ名前で営業している。


ワインにたとえれば、農薬漬け、機械収穫、SO2たっぷりのNVのヴァンドターブル。

ぶぶか(高田馬場)

(ラ)ラーメン 77点
(油)油そば 78点
(つ)つけ麺 57点
(油)坦坦油そば 49点


元祖油そばはそれなりに旨い。油そばで有名な店だが、ラーメンも結構いけてる。つけ麺は、麺がどれだけスープに絡まるかが勝負だが、片栗粉か何かでとろみをつけて絡みを良くしようとしていて、非常に作為的で不自然な味で濃すぎるのもNG。絡まれば良いと言うものではない。坦坦油そばは支離滅裂で食べるに耐えない。
店員の手際が悪く、座れても満席だとかなり待たされるときがある。

ラーメン道楽参宮橋店

(ラ)ラーメン全般 70点


味は普通。不可はない。敢えてリピートしようとは思わない。外見より、店内は清潔なのが良い。

やったる(高田馬場)

(ラ)ラーメン太麺 83点
(ラ)ラーメン細麺 74点
(油)油そば 84点
(つ)つけ麺 77点


太麺は本当に太い。主宰が知る限りではラーメンで一番太いのではないか? 粉っぽさが残る独特のアルデンテの食感が楽しい。油そばはぶぶかより旨い。つけ麺もまずまずの味だ。全体的に質が高いが、味が単調で飽きるところがある。が、時間がたつとまた行きたくなる。


ワインにたとえれば、ファーストインパクトは良くてだんだん飽きが来るが、思い出すとまた飲みたくなるロベール・アルヌー。

屯ちん(歌舞伎町)

(ラ)ラーメン全般 83点
(つ)つけ麺全般 79点


客層:若いカップル、お水系。女性が多い。


取り立ててインパクトがあるわけではないが、バランスが全体的にいい。女性に受けるのが分かる気がする。


梟(田町)

(ラ)ラーメン全般 73点


食の不毛の地、田町にしては旨い。店が臭いので、もう少し清潔感があると良い。芝浦側の駅前の飲食店はなぜか臭い所が多い。

麻布ラーメン(田町)

(ラ)ラーメン全般 65点


食の不毛の地、田町にしては味は出色。ただ、数回の訪問のほぼ毎回、衛生管理に問題があると思われる事象に遭遇。10点減点した。

麺屋武蔵(渋谷)

(つ)つけ麺 普通味 64点
(つ)つけ麺 甘辛味 59点


混雑度:意外と待つ
客層:10代を含む若い男性が多い


とても美味しいとは思えないが、200g、300g(中盛)、500g(大盛)から選べるため食べ盛りの若い人を中心にいつも混んでいる。

博多天神(都内に数店)

(ラ)ラーメン全般 76点
ちょっと癖のあるとんこつラーメン。普通に美味しいと言うと物足りない感じだが、凄く美味しいと言うと大袈裟な感じ。店のコンセプトがはっきりしているので、どの店で食べても安心できる。

喜多方ラーメン坂内(チェーン店)

(ラ)ラーメン全般 78点
普通のラーメンと言ってしまえばそれまでだが、縮れ麺はコシがあり、スープもうまい。特にチャーシューが美味しいので、スープ面がチャーシューで埋め尽くされたチャーシュー麺は幸せになれる。


ワインにたとえれば、どの畑でも一定の味できちんとまとめてくるルイ・ラトゥール。