遠足が楽しみな子供の心境

bebian912008-06-15

今日はピエール・ダモワの会を行った。ダモワのシャンベルタンを飲むのがとても楽しみだった所為か、前日ほとんど眠れずに会に臨むことになってしまった。なんか子供みたい…。


ピエール・ダモワはいいワインだった。テロワール第一という考え方が明確に伝わってきた。「テロワールをどう表現するか」というより、テロワールそのものを飲める形にしてビンの中に封じ込める手段としてワインの醸造があるという感じがして、非常に好感が持てた。

今日の酒

(白)ドメーヌ・ゴアゾ ブルゴーニュ "コール・ド・ガルド" 2000
恐らくこのワインが熟成されて飲まれるということはあまり無いだろうが、ACブルゴーニュにしてちょうど良いのみ頃だった。果実味もしっかりと残っていて秀逸と言ってもいいワインだと思った。


(赤)ルモワスネ メルキュレ クロ・フルトゥル 1996
このレベル(というと言い方が悪いが)の酒を寝かして飲むというのはほとんど無いのではないか?
それを樽買いして丁寧に熟成させて世に出すというルモワスネに脱帽である。驚くほど安い価格で古酒が飲めるというのも非常に良い。
五臓六腑に染み渡る優しい味だった。


(赤)ドメーヌ・ピエール・ダモワ ブルゴーニュ 2004
うまい。出汁が効いている。寝かせても良さそうだ。ACブルゴーニュにしてジュヴレ・シャンベルタンをしっかりと感じさせてくれることと品質において、クロード・デュガのACブルゴーニュを思い起こさせてくれた。
(味が似ているという意味ではない。)


(白)ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン マコン・ヴィラージュ "キュヴェ・トラディション" 2002
最近「旨いマコン」が多いが、例えばコント・ラフォンのマコンを飲んだときのように「土地はどこでもいいのだろうか?」と思ってしまうことが何回かあった。
ボングランのマコンは、「生産者はテロワールを表現する指揮者に過ぎない(当主のテヴネ氏談)。」ということをそのまま最高の形で実践したに過ぎないことを教えてくれた。それにしても最高の「演奏」だった。
今日の参加者の「一番印象に残ったワイン」にこれをあげる人がほとんどだった。
ちなみに、このワインはボングランの最下位キュヴェです。他にヴィレ・クレッセやマコンで造る貴腐ワインもあるのだが、どんなに旨いのだろうか?


(赤)ジャン・ルフォール モレ・サン・ドニ 1984
すごく面白いワインだった。モレの大柄で朴訥な感じの典型なのだが、複雑な味と香りが次々に口の中に広がっていく。本当によい熟成をしたものだと思う。この経験ができるなら市価6000円は安いだろう。
ルー・デュモンの中田氏がこの酒にレア・セレクションに加えるべくオファーを出したという話を聞いたことがあるが、まったくもって納得した。


(白)ルモワスネ ブルゴーニュ "ポサンジェ" 1991
店の山田マネージャ:「このACブルゴーニュはありえない(旨さ)ですよね?」
主宰:「あ?これ?分かった? 中身はピュリニーモンラッシェらしいよ。」
山田:「91年で熟成してるけど、この果実味と若々しさは凄いですよね。」


(赤)ドメーヌ・ピエール・ダモワ シャペル・シャンベルタン 2001
(赤)ドメーヌ・ピエール・ダモワ シャンベルタン 2001

同じ生産者で違う畑のワインを飲み比べると本当に面白い。(しかもヴィンテージまで一緒。)
シャペルは軽やかなミネラルだが、味は軽くなかった。熟成が進んでいるわけではないが、動物臭が少しだけあった。とても美味しく飲めた。
シャンベルタンはやはり格の違いを見せ付けてくれた。ただ、「シュワシュワシュワ〜」と若いシャンベルタンに感じることができる芳醇なミネラルより、クロ・ド・ベーズに近い畑だけあって若干無口な印象だった。
来週のクロ・ド・ベーズがさらに楽しみになりました。

参加者

りさ、京子、マヤ、穣、もろ、順子、哲、貴子、主宰