立派な一つ星

bebian912008-01-14

今日は駒場東大前駅から歩いて10分弱の「ミラヴィル」というフレンチへ初めて行った。
主宰はこの店はミシュランで★一つもらっていることは全く知らなかったが、食べている途中で知った。
美味しいが、ただ美味しいだけでない芸術的な美味とでも言おうか、そういう感じのする料理だった。
こんな陸の孤島のようなところにこんな店があるなんて…。

儀式

初めて行く店での、いつもの「儀式」を行った。


主宰:「すみません。今注文するわけではないのですが、ワインリスト見せていただいて良いですか?」
店員:「はい、こちらになります。」


知らない生産者が多く、偏っていた。


店員:「あの〜、私○○と申します。どうか今後とも宜しくお願い致します。ワインについては只今勉強中で、これからリストを充実させていこうと思っております。今は同じ酒屋からしか入れていないので偏ってしまっていますが、お客様のような詳しい方には是非いろいろとご教授いただきたく…。」


店員は主宰をミシュランの覆面審査員とでも思ったのだろうか?(笑)

うまい……。

しかし、飯がうまい。味覚のみを刺激する「超おいしい」という感覚ではなく、五感に総合的に訴えてくるうまさとでも言おうか…、一言で言えば「芸術的な美味しさ」とでも言うべきか…。とにかく言葉にするのは難しい、そんな美味しさでした。


他の方のグルメ日記などのブログを見ると、ほとんどが誉めてあるが、一部「サーヴィスが悪いという指摘もあった。が、この価格(前菜とスープとメインとデザートとお茶で約3000円)でこの味でそれを言ったら罰が当たるだろう。なんなら、セルフサービスでもいい。

ワイン持ち込み

ワインリストははっきり言ってしょぼい。店員が分かっていないだけでなく、恐らくシェフも「料理ありき」で仕事をしているのだろうと想像する。
が、これだけのレベルの高い料理でワインを飲まないわけには行かなかったので、グラスワイン等を注文して楽しんだ。


主宰:「ここって、ワイン持ってきてもいいんですか?」
店員:「はい、3150円頂いてますが、それでお持ち込みになれます。」


フフフ…、今度ルロワの会ここでやろうかな…。今までより少し高い会費になるが、この味なら幸せも3倍増というものだ。


帰りに入り口近くのセラーを覗いた。質量ともに誉められたものではない。が、見たことのあるワインがあった。


(赤)ジョルジュ・リニエ モレ・サン・ドニ 1er クロ・デ・ゾルム 2002


主宰:「このワインなら、あまり濃くなくてとても上品で下手に主張してこないから、ここの料理に合いそうですね!」
店員:「はあ…、そうなんですか?」


主宰:「なんか凄いワインがありますね!」
店員:「どれですか?」
主宰:「この、一番上にあるやつですよ。」
店員:「ただの村名のヴォーヌ・ロマネみたいですけど…。これは今日の夜のお客さんがお持込になるものなんです。」
主宰:「『ただの』って、これ、エマニュエル・ルジェだよ!ただのヴォーヌ・ロマネったって、ただのヴォーヌ・ロマネじゃないよ!2万円位するんだよ!」
店員:「はあ…、そうなんですか?」


でも、ワインは関係ない。仮にサービスが悪くても食べに来る価値はある店だ(特に悪いとは思わなかった)。それに、主宰がワイン会を開いてしまえば、ワインのサーヴは自分でやるし、店員のワインの知識やワインリストは全く関係なくなってしまうではないか。


ということで、3月か4月の「ルロワの会」はここでやろうと思います。
可能なら、その前に一度白昼ワイン会もやってみたい。


次に来るのが楽しみだ。

ミシュランの評価

星が付く店の傾向として、味よりも、ワインリストが充実していてサービスがよい店が選ばれるらしい。もしそれが本当なら、この店は雰囲気に騙されやすいいい加減な審査員をもってしても、味のみで納得させたことになる。一つ星は立派だ。

今日の酒

(白)蔵不明 コート・デュ・ローヌ 2004
(赤)レ・フィエフ・ド・ラグランジュ 2004 ACサン・ジュリアン(=写真)
(赤)何かリュルトン家の赤ワイン 2002 AC忘れた。左岸。
ローヌの白はまずまずの果実味に、樽で味を補った感じの白。味はまあまあ。ラグランジュのセカンドはパーカーやロランを思い起こさせる今流行の味。リュルトン家のは伝統的なつくりで主宰的にはこれが一番美味しかった。

究極のオチ

店員さんのお名前は「田崎さん」です。