謎のVサイン

今日は久美子が経営する上野のアロマに行った。
奇遇なことに、18日の会に参加する有希子が男性と2人で来ていた。


このバーは価格がリーズナブルなのは良いが、その分薄いワインが多いのでどうしても濃いのが飲みたくなってしまった。


主宰:「ねえねえ、この前のレイニャックまだあるの?」
久美子:「はい、まだありますよ。」


さすがに1杯だけ飲むのに開けさせるわけには行かなかったが…、有希子がいるではないか!


主宰:「ねえねえ有希子さん、一緒にレイニャック飲まない?」
久美子:「有希子さんはこの前とても美味しくないメルローを飲んだみたいで今、メルロー嫌いになってしまったって聞きましたよ。これはメルローが中心ですよね?」
有希子:「そうなんですよ、ごめんね。いまあたしメルロー駄目なの。」
主宰:「あっそう。だったら、レイニャックなら克服できるんじゃないの?」
有希子:「ええ?そんなにおいしいの?」
主宰:「2002はブラインドテイスティングでペトリュスやル・パンなどの並み居るグランヴァンに勝ったらしいよ。これで克服できなかったら一生できないと言っていいような代物だよ。だから飲もうよ。」
有希子:「ええ…、どうしようかなあ…。」
主宰:「はい、決定!久美子さんレイニャックあけて!」


いきなり主宰に向かって、Vサインだかピースだかをする久美子。


主宰:「?」
久美子:「わざわざあけるんだから、村松さん2杯飲んでくださいね。」
主宰:「わかったわかった。」


Vサインでもピースでもなく、それは「2杯」という意味だった。


ちなみに有希子は3秒でメルロー嫌いを克服した。