再び苦情

ヴィノスやまざきの人気アイテム、フロンサック(右岸)のシャトー・ムーラン・オー・ラロックの2005が発売になった。


フロンサックといえば、サンテミリオンの奥に位置する所謂「右岸」のAOCだが、サンテミリオンやポムロールのようにメジャーな蔵は無い。
その中で奇特な生産者エルヴェさんは、超こだわりワインを作り続けている。
2003年といえば、発売当時(2005年頃)はビックヴィンテージといわれ(今では贅肉質で酸が足りないという評価もある=パーカー好み)、エルヴェさんの作るシャトー・ムーラン・オーラロック2003にパーカーは95点をつけた。


普通の生産者ならワインが高く売れるようになるので喜ぶのだが、エルヴェさんは「そんな評価をされたら価格が上がって今まで飲んでくれていたお客さんが飲めなくなってしまうではないか!」と苦情の電話をパーカー本人に直接入れたそうだ。(そのことが、また話題を呼んでしまってさらに人気が出てしまったのは皮肉なことだ。)


そして、今年2005年のワインが世に出ると、エルヴェさんの望みとは裏腹にパーカーの評価が勝手に下る。


「92点」


エルヴェさんは再びパーカーに苦情の電話を直接入れたそうだ。奇特な人である。