輸出できない酒(現地時間10日)

この日はグランドラピッズ最後の晩と言うことで、いつもの六人(胃袋女、主宰、石井ちゃん、マヤ、恵美、邦彦)とかずま軍団で食事することになっていた。
しかし、主宰は疲労が重なり風邪をひいてダウンしてしまった。バスと飛行機の長時間移動を考えて栄養をつけなければならないということで、一念発起して立ち上がり食事開始の一時間後に合流した。


着席すると、既にスパークリングワインが2本あいていた。そして、ボトルを見て笑ってしまった。


悦子:「なにかおかしいんですか?」
主宰:「この泡、カリフォルニアで作ってるくせに『シャンパーニュ』って書いてあるでしょ?」


シャンパーニュはご存知の通り、フランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインにのみ許された呼称である。ところが、このワインは「NEW YORK STATE CHAMPAGNE」などと書いてある。
この件については、アメリカ政府とフランス政府の間で長いこと紛争があったようだが、結局「輸出しない」という条件で、アメリカ国内のみスパークリングワインの名称として使っていいということになったらしい。
ただ、このワインの生産者は極悪だ。蔵の名前が「グレート・ウエスタン・シャンパーニュエステート」となっている。呼称だけならまだしも、ワイナリーの名前にまで入れてしまうとは…。
中国に知的財産権云々とクレームをつけている国がやることなのだろうか?


ちなみにこの酒、ファーストインパクトが強くアメリカ的ではあるものの、味としては悪くなかったというかおいしかった。レストランで30ドルなら上等といえる。


もう一本はアスティだった。ただし、飲んだことがないようなエグ味というか、やはりインパクトが強い。アメリカ向けに作ってあるのだろうかと疑いたくなるような一本だった。