「辛口のお酒」後日談

マヤが仕事のことで主宰に弟子入りしてから、今月はきちんとした結果が出た。
銀座ということで、何回か行ったことがあるイタリアワインのバーHIBINO1882でおごることにした。


メニューにあるほとんどのワインをグラスで飲ませてくれ、価格も良心的な良い店だ。


普段は、客の好みに合わせつつ空いているワインをうまくすすめているのだと思うが、主宰はメニューを見て勝手に他の客があまり注文しなさそうな物をどんどん注文してしまう。

一旦帰ろうとしたとき、この6種のワインを飲んだあとだったのだが、4本は新たにあけたものだった。


席を立とうとしたそのとき、マヤがバルバレスコをよく分かっていないことを思い出した。


主宰:「バルバレスコ飲んでみたい?」
マヤ:「はい、飲んでみたいです。」
主宰:「そうだよな。『辛口のお酒』ってんじゃ悲しいもんなあ。」


バルバレスコは3種あり、あいているものもあったが、一番高い95年の古酒をグラスで注文してしまった。もう他の客もでき上がっていて注文も来ないというのに…。
また新たに古酒の栓を抜く店員。


主宰:「また、あけさせちやったねえ。これ、古酒だから明日まで持つかなあ?」
店員:「そうなんですよ。良かったらもう一杯いかがてすか?」
主宰:「そうだよね。あけさせちゃったからもう一杯頂くよ。でも、注ぐとき最後にちょっと手を滑らせて頂いて…。」
店員:「わかりました…(苦笑)」


超大盛バルバレスコのグラスが登場した。ボトルを見ると半分近く無くなっていた。ざっと4.5杯取りだ(笑)。
グラス1900円で、ボトル11300円なので、本来なら最低でも6杯取り想定のはずなのだが…。


バルバレスコ95は、状態がよく熟成も完璧でとても幸せな気分にさせてくれた。
「超うめ〜♪」と5回くらい言った気がする。


主宰:「マヤはバルバレスコの何たるかが分かった?」
マヤ:「とてもおいしい『辛口のお酒』でした。」


ほんとに分かってんのか?
まあいいか。