天才少女…。

bebian912006-07-18

今日は昼間の仕事が速く終わったので、行きたかった演奏会に行った。


> 大野和士指揮東京都交響楽団
> ヴァイオリン:庄司紗矢香
> サントリーホール
> モーツァルト交響曲第31番「パリ」
> ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
> ストラヴィンスキー:舞踊音楽「火の鳥」全曲


最初の演目、モーツァルトのパリ交響曲は遅刻したが、次のショスタコーヴィチから聴けた。

天才少女…。じゃなかった…。

庄司紗矢香という名前は聞いたことがあったが、今日はじめて聴くこととなった。天才少女と記憶していたが既に23歳になっていた。少女という年ではないが、見た感じは14歳でも通用するくらい華奢で小さく、サントリーホールの大ホールの隅々まで音を行き渡らせることができるのかどうかが不安になるくらいだった。
始まるとそんな心配はいらんお世話だったようで、力強い表現、容姿からは想像し難い太く大きい音、そして正確な技巧は聴く者すべてを圧倒し、演奏が終わった後拍手が鳴り止まず庄司紗矢香はステージに7回呼び出された。

大きい音、太い音

なぜか世界的に有名なヴァイオリニストにはイスラエル人が多いのだが、彼らの特徴は弦を極限まで振れさせる太い音にある。庄司にも共通点を感じたのだがプログラムを見て合点が行った。シュロモ・ミンツに教えを受けていたのだ。
大きい音、本当に良く鳴る楽器だった。これは日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリなのだが、なんとこのストラディヴァリブラームスの親友で歴史に残るヴァイオリニストであるヨアヒムが使ったいたものだったのだ!凄すぎる!

既に古典となった火の鳥

主宰が芸術音楽を愛好するようになった20年前はストラヴィンスキーといえばまだ「現代音楽」に分類されていて、進んだ言い方があったとしても「現代の古典」などと呼ばれていたにすぎなかった。
実際、10数年前にとある国内オケで火の鳥全曲を聴いたときには、不慣れなメロディーに戸惑いながら演奏しているのがよくわかったのだが、今日の演奏はどうだろう。本当に手馴れていて、まるで暗譜でベートーヴェン交響曲を演奏するが如く流麗だった。本当に時代が変わったものだ。

客演指揮者が演奏する名曲

今日の火の鳥の演奏は「集中力を欠いた演奏」と言うと言い過ぎだが、「客演指揮者が演奏する名曲」(あまり練習しなくても団員が曲に慣れているので事故はないが、十分なリハーサルを行っていないので指揮者の意図が浸透し切っていない演奏)と言う域を出なかったが、曲が良かったのと迫力のある音の洪水は楽しめた。
あまりミス云々は言わないようにしているが、最後にティンパニが外してはいけないEの一発の音をGのまま放置し変え忘れたのはあまりにもお粗末だった。

本当のS席

サントリーホールの一階は響きが悪く音が間接的にしか聞こえないのだが、実は二階席の壁に近いところはとても音が良く通っているのだ。その中でも、P席(指揮者の顔が見える席)の最後列の右の方や、RAブロックの最後列はとくに音が良く通る裏のS席なのだ。
今日は当日券だったが、チケット購入時座席表を見たときにRAブロックの最後列があいていたので、迷わず選び今日も良い音を堪能することができた。当日券が出るときはRAブロックの最後列はいつもあいてますよ。