火に油

今日は左岸の会を行う予定だったが、いろいろあって来てくれたのは信一だけだった。


主宰:「今日は大谷さん(信一)だけなんですよ。」
信一:「えっ? そうなの?」
主宰:「なので今日は大谷さんの好きなところに行きましょう。いろいろ行ってみたいところあるでしょ?」
信一:「IZAKAYA VINとRM行ってみたい! ルカンケも行ってみたい!」
主宰:「ほかにもインド料理でも寿司でもなんでもいいですよ。どうしますか?」
信一:「やっぱりIZAKAYA VINかRMかな…。」
主宰:「じゃあ、まずはIZAKAYA VINに行って、様子を見て大丈夫そうならRMのはしごしますか!?」
信一:「やったー♪」


主宰はいつもは一階のカウンターに通されるのだが、今日は一階がほぼ満席だったのでしげちゃんが担当する3階に陣取った。
飲み始めたら、祐亮から電話があった。


祐亮:「いまから左岸の会行っても良いですか?」
主宰:「実は今日は中止になったので、いま渋谷のVINにいるんだよ。良かったらくれば?」
祐亮:「そうなんですか? じゃあ、もし行けそうだったら連絡します。」


その直後、マスターが出勤してきた。すぐに一階へ向かうかと思ったら、主宰と信一のところで10分近く立ち話をしていろいろワインの話をしてから一階に降りていった。


祐亮からはしばらく連絡がないので来ないのかと思っていたら、突然現れた。しかも彼女の絵理子も連れてきた。折角なので合流して4人でほぼ同じワインを飲んで盛り上がった。信一と祐亮はRMにも行ってみたかったようで、VINでは酒7分目程度で切り上げてRMに向かった。

マスターの提案

シャルロパンパリゾのマルサネを飲んでいるときのことである。


主宰:「シャルロパンパリゾはとても好きなんですよ。今年は一月に『シャルロパンパリゾの会』を開いたんですよ。」
マスター:「『シャルロパン・パリゾの会』をやるんでしたら是非セシル・トランブレーと一緒にどうでしょうか?」
主宰:「味の対比が面白いんですか?」
マスター:「いえ、シャルロパンとセシルが不倫して離婚騒動になってるんですよ。シャルロパンパリゾは畑を分割しなくちゃいけないかもしれなくて、蔵の存亡の危機なんですよ。」


洒落でやってみるのも悪くない。

追求

RMではボトルをあけた。
絵理子は酒が廻って来たのか、祐亮の過去の女性関係を追及し始めた。怖いというか…、面白いんだけど。


絵理子:「この人、過去はどうだったんですか?」
主宰:「知り合って3年になるからね。まあ、多少知っていることはあるにはあるけどさ…。」
絵理子:「(祐亮とは)どこで知り合ったんですか?」
主宰:「恵比寿のワインバーのワイン会でなんだよ。」
絵理子:「そこには誰と来てたんですか?」
主宰:「きれいな人と来てたよ。丸くてムチムチで僕が好きなタイプだったんだよ。」
祐亮:「○○さんだよ。」
絵理子:「ああ、○○さんね! 他には?」
主宰:「他に? いやあ…。」
絵理子:「あたし、○○さん(祐亮の前妻)知ってるんですよ。」
主宰:「そうなの? まあ、同じ会社だからね。」
絵理子:「他には?」
主宰:「他に? いやあ…。毎回違うきれいな人を連れて来てたからなあ…。」
信一:「そんなこと言っちゃっていいのか!?」


顔がますます険しくなる絵理子。
全然良くなかったようだ。


信一:「火に油だぁ…(笑)」

VINの酒

(白)ドメーヌ・ロドルフ・ドゥムジョ ムルソー 2007
ムルソーらしからぬ腰の弱さ。宴の最初にブルゴーニュブランだと思って飲むとちょうどいい。


(赤)ドメーヌ・フィリップ・シャルロパン・パリゾ マルサネ 2007
かなり強い香りが鼻をつくが、開くにつれていい香りに変わる。葡萄を構成する分子の一つ一つが同じベクトルを向いていて生産者のコンセプトをはっきりと伝えてくる。こういう主張の激しいワインは好きです。


(白)アンリ・ブルジョワ プイー・フュメ 1996
(白)ドメーヌ・マルク・コラン シャサーニュ・モンラッシェ 1er モルジョ 1996
この2つを飲んで思ったのは、IZAKAYA VINのワインは保存状態が良すぎて飲むのに最高の状態になるのに時間がかかってしまうのではないかということだった。とても熟成したいいワインだが、ポテンシャルを発揮する前に飲み干している感じがした。


(白)ドメーヌ・ル・ブリゾー パタポン 2008
なにかと話題が多いワインだが、「ブラインドで出されると普通のシュナンブランなんですよね(しげちゃん談)」とのことだった。
確かに。でも美味しかったです。


(赤)ドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィーユ ヴォルネイ 1er タイユピエ 2002
うまい〜♪


(赤)ドメーヌ・ドニ・モルテ クロ・ド・ヴージョ 2001
8月に「ドニ・モルテの会をやる」と言ったらしげちゃんがあけてくれた。こういうところはさすがIZAKAYA VIN、さすがしげちゃんだ。
区画は国道沿いに近い下のほうということで葡萄のポテンシャルは一級と村名の間くらいだろう。美味しかったが、高いといえば高い。高いが、市価を考えるとIZAKAYA VINでの価格はべらぼうに安い(一杯4500円)。

RMの酒

(泡)エグリ・ウーリエ VP 2005デゴルジュ
(赤)ドメーヌ・クロード・マレシャル サヴィニー・レ・ボーヌ 1er ラヴィエール 2005
(泡)ドゥ・スーザ レゼルヴ ブラン・ド・ブラン NV
RMに来るとくつろいでしまうせいか、あまり酒の味覚えていないことが多い。いい意味でリラックスできる空間なのだろう。