ヤマト運輸からの贈り物

bebian912009-12-31

今日は「レ・サン・ジョルジュの忘年会」を行った。大晦日の白昼ワイン会は3年目だが、いつもながらよく仲間が集まるものだと思う。
ブルゴーニュをよく飲む割にはニュイ・サン・ジョルジュを飲むことが今まですくなかったが、今日まとめて飲んでみていろいろと発見があって良かった。

冷凍便

今日の昼に3社からワインが届くように手配していた。いろんなワインが届いてテンションがだんだん上がって行ったが最後の一箱をあけて唖然とした。
なんと、シャルロパンパリゾのボンヌ・マールとコスデスとラネッサンが凍っているではないか!


涙がちょちょぎれた。


ワインは販売店ヤマト運輸に補償してもらえばいいことだが、ワインたちがこのような状態にさらされていることがかわいそうだった。気を取り直して販売店に電話した。


主宰:「これこれしかじか…。」
店主:「あ〜、申し訳ありません。ヤマトではたまにあるんですよね…。またですか…。すぐに送りなおしますが、年明けの営業日からで大丈夫ですか?」
主宰:「送りなおして頂けるならいつでもいいです。ちょっと質問なんですが。」
店主:「はいなんでしょう?」
主宰:「この凍っているワイン交換でヤマトが引き取りに来ると思いますが、中身飲んじゃって良いですか?」
店主:「どうぞどうぞ、是非飲んじゃってください。勿体無いですから!」
主宰:「そうですか、では遠慮なく。」


コスデストゥルネルとラネッサンはコルクが飛んでいて今日か明日にでも飲まないといけない状態だったが、シャルロパンパリゾのボンヌ・マールはコルクが辛うじて1cmだけボトルに残っていたので、たくさん吹いてはいたものの2週間以内に飲めば全く問題なさそうだった。
今日は「レ・サン・ジョルジュの会」ではあるが、人が集まっていることだし折角なんでコスデスを振舞うことにした。
シャルロパン・パリゾは近々「緊急ワイン会」と称してワイン会を開くことにした。
展開的に、凍っていたほうがラッキーで楽しかった。再送のときも凍って届かないかななんてアホな期待を膨らませるのだった。


そういえば、店主とこんな会話もした。


店主:「再配達時はどうしますか?」
主宰:「なにがですか?」
店主:「クールにするとまた事故が起こるかもしれないからお嫌かもしれないかと思いまして…。今度事故があったらボンヌマールはもう無いんですよ。」
主宰:「大丈夫です。クールでお願いします。もし事故になったらかわりにシャルロパンのクロサンドニでも送ってください。」
店主:「まあ大丈夫だと思いますが、事故になったらクロサンドニを送りますね(笑)」


嫌どころか再現を期待してます。

発音しないX

どんな経緯だか忘れたが、日本人が好きなワインの傾向の話になった。味、ラベル、ブランド、生産者等の話から始まり、スペルの話になった。


主宰:「日本人って最後に発音しない"X"があるのが好きだよね。」
白裕子:「確かにそうかもしれませんね。」
主宰:「たとえばエシェゾー(Echezeaux)とかマルゴー(Margaux)とか…。」
白裕子:「好きかどうかはさておき、ボルドー(Bordeaux)もそうですよね。」
マヤ:「ムエックス(Moueix)もそうですよね。」
主宰:「ムエックス? たしかに最後に"X"がつくけど、思いっきり発音してんじゃん(笑)。お前マジで面白いな。さすがだよ!」
マヤ:「まかせてください!(苦笑)」
主宰:「ワインの世界で、ムエックスを知っていたということで今日は誉めておこうか…。」

今日の酒

(ロゼ)ルイ・ジャドー ブルゴーニュ・ロゼ 2008
ルイ・ジャドーのワインは濃くもなく薄くもなく余分な主張もなく徹底的なスタンダードの追及とテロワールの反映に命をかけている(それがルイジャドーの強いこだわりと主張だが)が、このただのロゼワインいたってもその考えは一貫していた。葡萄に対して非常に素直で好感が持てる味だった。


(赤)ドメーヌ・ヴァンサン・エ・ドニ・ベルトー ブルゴーニュ 2004
フィサン(の生産者)らしい、いい意味で無骨な味だった。無骨でありながら豊かな果実味でオブラート的に包んでいるというか…。数回飲んだことがある蔵ですが、いつも美味しい。


(白)ドメーヌ・アンリ・グージュ ブルゴーニュ・ブラン "ピノ・グージュ" 2005
シャルドネのふくよかさとは違う、内面の芯の強さからくるふくよかさが美味しいだけでなく、ワインの奥深さを感じさせてくれた。機会がつくってまた飲みたい酒のひとつとなりました。


(赤)ドメーヌ・ロベール・アルヌー ニュイ・サン・ジョルジュ 2005
こういう言い方もなんだが、正直不味かった。素晴らしいワインたちの中にあって、このように表面的に力強い味を不自然につけている酒はお呼びでなかったようだ。このワインだけが皆のグラスからなかなか減らなかった。


(赤)ドメーヌ・アンリ・グージュ ニュイ・サン・ジョルジュ 1er プリュリエ 2001
実際の畑の性格は知らないが、熟成ゆえかニュイ・サン・ジョルジュの割にはミネラルがやさしく感じられた。立体感は無いが、舌の上に均一に広がっていく余韻は丁寧な醸造によるものなのか? ても美味しく楽しめた。


(白)ドメーヌ・ド・ラルロ ニュイ・サン・ジョルジュ 1er クロ・デ・ラルロ 1999 モノポール
実に美味い白ワインだった。ムルソーやピュリニーもいいが、ニュイらしい締まりの中にミネラルが表現されていて主宰としては理想の味だった。熟成も良かったようだ。


(赤)ドメーヌ・アンリ・グージュ ニュイ・サン・ジョルジュ 1er レ・サン・ジョルジュ 2004
滑らかな泥臭さが覆うように力強い畑の特徴が、アンリグージュのワイン作りと相まってニュイサンジョルジュのひとつの典型を見せてくれた。2004ということで少し早かった感はあるが、空気に長時間触れさせることで美味しく楽しむことができた。


(赤)ドメーヌ・ティボー・リジェ・ベレール ニュイ・サン・ジョルジュ 1er レ・サン・ジョルジュ 1990
前述の程よい泥臭さが熟成によって程よい動物臭的に香ってきて面白かったが、主宰の好みで言えばもう少し品がいいほうが好きだ。もう少し酸があればよかったのかなとも思う。いい酒ではあった。


(赤)シャトー・コス・デストゥルネル 1992 ACサンテステフ(2級)
まずいわけが無い格付けワインだが、やはり熟成しているボトルは格別に美味い。ただで飲んでいると思うとさらに美味しく感じた。

写真

儲け物のコスデス