神の雫係

bebian912009-03-11

今日はヴィノスやまざきの大イベント「蔵の祭典」が竹芝のインターコンチネンタル東京ベイで行われた。
蔵の祭典はやまざきの2年に1度の大イベントだが、この恐慌時に下記のように集客することに成功している。凄いとしか言いようがない。安くて旨いやまざきのワインが時代にマッチしているのだろう。たしかに有楽町店や渋谷店のバーでも不況はほとんど感じられない。


3/8夜 静岡 ホテル センチュリー 300人<満席>(会費8000円<会員は6000円>)
3/10夜 インターコンチ東京ベイ 400人<ほぼ満席>(会費12000円<会員は9000円>)
3/11昼 インターコンチ東京ベイ 400人<満席>(会費7000円<会員は5000円>)
3/11夜 インターコンチ東京ベイ 400人<満席>(会費12000円<会員は9000円>)


ちなみに、10日の夜は11日があまりにも早く満席になってしまったので追加で開催が決定したものです。

なんちゃって店員再び

主宰:「来ました。どうしましょう?」
経営者の祐子りん:「ムーラン・オーラロックのエルヴェさんを手伝ってくれる? 神の雫に掲載されたばっかりで人がたくさん来るのに、ヴィンテージもたくさんあって追いつかないのよ。それに、エルヴェさんったらマダムにしか注がないのよ。マダムにしか注いでなかったら注意してくださいね。」
主宰:「分かりました〜♪」


主宰:「Long time we didn't see!(超適当英語、「久しぶり」と言っているつもり。)」
エルヴェ:「Oh!, long time!(←これもたぶん適当英語。お互い通じているようだ。)」
主宰:「Madam Tanemoto(祐子りん) let me help you because you serve your wines to only women!」
エルヴェ:「Don't say it! My wife is hearing!」
夫人:「What?」

難しいフランス女性

オーナーのエルヴェさんは話しかけてくるお客などとの話で忙しかったので、7種類のワインは沼津店の店員と夫人と主宰の3人で注いでいた。
忙しいときは仕方ないが、女性に負担をかけないようにと、ブースに来た客はなるべく主宰が対応していた。
しかし、夫人の顔が険しくなってきた。仕事をさせて貰えないのが不満なようだ。それが分かってからは、なるべく夫人に振るようにした。
その直後は上機嫌で注いでいたが、また徐々に機嫌が悪くなっていく。自分ばかり注いでいるのが気に入らないようだ。


主宰:「They(お客) are more grad your serving than my serving because these wines are your own made!」(またしても超適当英語)
夫人:「(フランス語でなにか言っていたが分からなかった)。」


それからは生産者を立てつつ、仕事を振り過ぎないように気をつけていた。
が、まただんだん機嫌が悪くなっていく…。


主宰がお客様としゃべっているといつも主宰の顔を見るのだ。何が望みなのか…?


主宰は日本人なので、来場しているお客様とは問題なくコミュニケーションが取れるが、夫人には分からない。これが気に入らないようだ。そして、お客が何を話しているのか教えて欲しいようなのだ。やはり生産者は自分のワインがどう思われているのか気になって仕方ないのだろう。
それが分かってからは超適当英語でお客さんの話していることを訳したり、お客さんとのコミュニケーションの仲介をしたりした。


それでもまた、機嫌が悪くなる夫人…。
何がいけないんだ…(T_T)。


主宰はお客受けして売り上げに繋がりやすいビックヴィンテージ(2000、2005)を中心に勧めていた
が、それらを注いでいるときに夫人の鋭い眼光が主宰を突き刺していることを悟った。どうもビックヴィンテージを勧めるのが気に入らないらしい。


主宰:「Which vintage do you like?」


力強く2002を指差す夫人。主宰のなかでは2002は弱い印象があり、ムーランオーラロックの特徴のストレートで分かりやすい美味しさが少ないように思えていたが、もう一度味を確認してみた。
以前飲んだときより熟成が進み少し枯れた感じが出てきているが、これがいい味を醸し出していて確かにうまい。
それからは、2002年がどういう風に美味しいかをお客さんに説明しながら試飲してもらうようになると、お客さんの反応がだんだん良くなってきた。
すると夫人はご満悦となり、その後不満を顔にすることはなかった。


そんなこんなで頭がフル回転していたので、あっという間に2時間の会が終わり、最後の10分だけお客に戻っていろいろと試飲させてもらいました。でも試飲より手伝いのほうが楽しかったですけどね。

今日の酒

(赤)エルヴェ・ラロック 2003 ACフロンサック
セカンドラベルだが、品質が劣っている(とエルヴェさんが判断したファーストラベル用の樽を格下げ)分熟成が早く、いい熟成香が早くから現れるので主宰は結構好きなワインです。3000円を切るワインとしては出色。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 2006 ACフロンサック
発売当初は味が暴れていて甘いだけの印象だったが、びっくりしたことに閉じて眠りに入っていた。ムーラン・オーラロックは分かりやすいワインだと思って一定の尊敬を持ちながら舐めていたところもあったが、とうとうグランヴァンへ向けて長熟型に舵を切ったのか!?
将来に非常に期待が持てる味わいだ。通な感じのおじさんが5年後に飲むのが楽しみだと言って2本買っていた。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 2004 ACフロンサック
まだ力を隠している感じがする。熟成とともに渋さが出ていい酒になるのではないか?


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 1999 ACフロンサック
いいヴィンテージを今飲むならこれ。熟成と力強さのバランスがいい。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 2002 ACフロンサック
前述の通り、よく味わって飲んでください。ムーランオーラロックの中では、ひねりが入っていて通好みのいい酒です。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 2000 ACフロンサック
力強く、カベルネソーヴィニョンが中心ではないかと見紛うほどだ。もう少し熟成させるほうがいいかもしれないが、今でも十分楽しめる。初心者から玄人までカバーできる味だ。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 2005 ACフロンサック
超ビッグヴィンテージの割には既に柔らかい味わいで、飲みやすい。が、力強さと濃さはさすがの2005で、分かりやすく、素直に旨い。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 1997 ACフロンサック
熟成はしているが、2度目か3度目の眠りに入っている感じで、少し硬めだった。2006はまだ若いので当然としても、この酒を飲むことで、いままで自分がムーランオーラロックの目指す味と言うものを正しく理解していなかったのではないかと反省した。オーラロックの隠れビッグヴィンテージではないか?


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 1995 ACフロンサック
これもビッグヴィンテージの一つで素直に美味しいが、他のヴィンテージに比べると少し焦点が合っていない感じがした。口の中に広がるソフトなタンニンと甘さはさすが。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 1990 ACフロンサック
いま飲んでも当然美味しいが、あと5年でピークか。超ビッグヴィンテージらしい堂々とした味わいだった。


(赤)シャトー・ムーラン・オー・ラロック 1989 ACフロンサック
2002の枯れた感じと長塾型のワインの若々しさを併せ持つが、今がベストの飲み頃か?
主宰的に好きな味です。

写真

左から2番目の小柄なおじさんがシャトー・ムーラン・オー・ラロックのオーナーのエルヴェさん。一番右がエルヴェさんの奥さん。一番左はトスカーナの生産者のタッキーノのオーナー。タッキーノのオーナーはイベント中仕事をせず、シャトー・ムーラン・オー・ラロックをずっと飲んでいた。とても気に入ったと力説してました。