だまされました

bebian912008-07-10

今日は順子とIZAKAYA VINに行った。
順子は以前にもIZAKAYA VINに数度来たことがあったのだが、あまりワインに詳しくない人と来ていたため、ワインはメニューからしか選べなくて残念な思いをしていたのだという。
主宰とであればいろいろなおいしい酒が飲めるに違いないということで、今日その希望がかなったとのことだった。

なんでもどうぞ

いつもIZAKAYA VINは遅めの時間に行くことがほとんどだが、今日は18時に順子と一緒に入った。


主宰:「また、なにかお勧めのワインを。」
ムッシュ:「なんでもどうぞ!」
主宰:「は?」
ムッシュ:「時間が早いんで、どのワインでも良いですよ。2杯か3杯飲んでいただけるならなんでもあけますから。」
主宰:「まじで?」


主宰はVINでなにかを選んで良いといわれてしまうと、いつもジョルジュルーミエのシャンボールを真っ先に思いついてしまう。


主宰:「ルーミエの村名のシャンボールありますか?」
ムッシュ:「いま、ないんですよ。」
主宰:「『レ・クラ』以外でルーミエのシャンボールのプルミエクリュありますか?」
ムッシュ:「ありますけど…、ルーミエのレ・クラ以外のプルミエって一つしかないですよ。」
主宰:「一つしかないってことはあの畑ですか?」
ムッシュ:「はい、あの畑です。高いですよ〜。」
主宰:「ああ、飲みたいのはやまやまだけどやめよう。」
順子:「『あの畑』ってなんですか?」
主宰:「『レザムルース』っていうすごい高い畑があるんだよ。」
順子:「あ、あたし、それ知ってます!そんなに高いんだあ、残念だなあ。」
主宰:「ほかになにかお勧めはありますか?」
ムッシュ:「オスピスのマジの99とか…、レ・クラの96とか…。」
主宰:「オスピスのマジはうちにあるしなあ…。」
ムッシュ:「じゃあ、これでどうですか!?」


と2本カウンターにドンと置く。


ムッシュ:「こちらはポンソのクロ・ド・ラ・ロシュ2001です。で、もう一本は…。」
主宰:「ヴォギュエですか…。1erってことは中身がミュジニーのやつですね。」
ムッシュ:「はい、そうです♪」
主宰:「…。うわあ…、いいのが出てきちゃったなあ…。」
順子:「どっちにしますか?」
主宰:「順子さんの勉強のためになるのはポンソだけど、僕はヴォギュエはまだ飲んだことがないので…。」
順子:「じゃあ、こっち(ヴォギュエ)にしましょう♪」
主宰:「じゃあ…♪ヴォギュエで♪♪」

山葡萄

泡と白三種を飲んだ後、早速ヴォギュエが出てきたが、やはりまだガチガチに硬い。そこで、開くのを待ちながらなにか他のワインを飲むことにした。


主宰:「なんかすぐ飲める村名のワインください。」
ムッシュ:「はい、わかりました。」


新たにあけてくれたニュイサンジョルジュ92と一杯残っていたヴォルネイ92がとてもこなれてて美味しく幸せに浸っていると、ムッシュがニコニコして近づいてきた。


ムッシュ:「ブラインドでどうぞ。差し上げます。」


と、ブルゴーニュグラスを目の前に置いた。


主宰:「あ、ありがとうございます。」


飲んでみる。なにか大柄な感じだ。


主宰:「モレですか?でもなんか優しい感じもするからボーヌ…?でもやっぱりモレっぽいなあ…。」
ムッシュ:「まあ、ブラインドなんで、ゆっくりお飲みになってください(笑)」


しばらくすると目の前にボトルが置かれた。「十勝ワイン アムレンシス 1999」だった。


主宰:「もしかしてこれを飲んでいたんですか?」
ムッシュ:「はいそうです。日本にもとてもいいワインがあるということを知っていただこうと思いまして…。」
主宰:「騙された。見事に騙された。今日のブログの題名は『だまされました』で決定だな。」
ムッシュ:「そんな、騙したわけじゃないですよ!」
主宰:「大丈夫です。本気で騙されたなんて思ってないですから。僕の友達がブログ見たら、きっと『あたしも騙されたい!』っていう人たちばかりですから。」


驚いたのはそれだけでは済まなかった。


主宰:「これって品種はなんですか?」
ムッシュ:「山ぶどうです。」
主宰:「それって品種なんですか?」
ムッシュ:「そうです。」


自分はワインに詳しいと思っていたが、まったくまだまだのようだ。

今日の酒

(泡)エグリ・ウーリエ ブリュット トラディション NV
バランスのいい、ムッシュがすきそうな味。美味しい。


(白)ドメーヌ・ベルナール・モロー シャサーニュ・モンラッシェ 2003
こんなに樽がバッチリかかっているシャサーニュは初めて飲んだ。しかし、それが不自然ではなく、単純な味になりがちな2003年の葡萄にいいアクセントをつけているように感じられた。


(白)ドメーヌ・アラン・コシュ・ビズワール ムルソー 1er グットドール 2004
酸が乗っているというよりはかなりすっさを感じた。良い酒だが早すぎたのだろう。


(白)ドメーヌ・ヴァンサン・ダンセール シュヴァリエ・モンラッシェ 2001
うまいです。


(赤)ドメーヌ・ロベール・シェヴィヨン ニュイ・サン・ジョルジュ 1992
すばらしい熟成。よかった。


(赤)ドメーヌ・マルキ・ダンジュヴィユ ヴォルネイ・クロ・デ・デュック 1992
92なのにまだ早い印象。あと5~6年寝かせてもいい感じだった。すごいポテンシャル。


(赤)十勝ワイン アムレンシス 1999
見事に騙されました。


(赤)ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ シャンボール・ミュジニー 1er 2002
優美なミュジニーが頑丈に堅牢に作られている。その殻を取って真の美味しさを味わうには40年かかりそうな印象だった。東銀座のワインバーで駄目だしを食らった理由がわかった気がした。


順子:「美味しいですね♪」
主宰:「美味しいけど、これ…、40年たたないと本当の美味しさは味わえない感じだな…。」
順子:「そうなんですか?」


ムッシュがいい勢いで近づいてきた。


ムッシュ:「そうなんですよ!!!」